【ボルドー展】
art-38 【ボルドー展】 国立西洋美術館
西洋美術館で開催されているボルドー展に行って参りました。
シルバーウィークの上野は人、人、人・・・
ボルドーというと、ワイン好きのワタクシとしては、とにかくワインとしか結びつかないのだけど、古代の遺物から現代のアートまで実にバラエティに富んだ内容の展覧会でありました。
プロローグ-起源
ボルドーが属するアキテーヌ地方にはラスコーをはじめとして先史時代の装飾洞窟がたくさんある。
ということで、多くの考古学的展示物がきていた。
初来日と大きくうたわれていたのが、「角を持つヴィーナス(ローセルのヴィーナス)」。古代のレリーフ等によくあるが、豊満な体つきはやはり豊穣を意味するらしい。
「狩人」もちょっと欠けてしまっているが、勇ましい感じだ。
Ⅰ.古代のボルドー
紀元前1世紀の頃にはワインの生産がはじまったとのことで、アンフォラの展示があった。
「少女の墓碑」は幼くしてなくなった少女の墓碑で、かわいがっていた動物たちも共に彫られているのだが、解説によれば犬?を抱えてるとあったが猫にしか見えない・・・
Ⅱ.中世から近世のボルドー
中世、ボルドーは300年にわたりイギリス領となっていたが、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路として発展する。サン・タンドレ大聖堂、フランスではエッフェル塔についで高い建築物らしいが、そんなに!
イギリス領当時の川面に浮かぶ月の上に、市庁舎、その上にイギリス王室の紋章である3頭のライオンが表された紋章が立派。
モンテーニュのエセーが展示されていたが、ボルドー出身の3Mはモンテーニュ、モンテスキュー、モーリアックとのことである。
Ⅲ.18世紀、月の都ボルドー
18世紀、ボルドーはワイン産業と交易で栄える。
当時の調度、なかなかに豪華だ。お皿、ポットなども。さすがフランス、ショコラ専用のポットもある。
ワインクーラーのみならず、ワイングラスクーラーもあった。今もグラスを冷蔵庫で冷やしたりしますもんね。
扇子が素敵だった。骨組みが螺鈿なんですね。ゴージャス。
新古典主義の絵画がいくつかあったが、ドラマチックな主題に、ドラマチックな描き方。ゲラン「フェードルとイポリット」は演劇の一場面を見ているかのようだ。
ドロランの「賢明」は題名を見なければその寓意はわからなかったかも。
Ⅳ.フランス革命からロマン主義へ
ここに衝撃的な絵が!
ルーベンスの「聖ユストゥスの奇跡」。9歳のユストゥスは首を斬られるが、その首を持って歩くという・・・リアルすぎる・・・
ゴヤの版画が2枚。
ゴヤは晩年、ボルドーの亡命したんでしたね。闘牛がテーマなのだけど、やや暗い。
しかし、この章一番のみものはやはり、ドラクロワの「ライオン狩り」。火災で上4分の1くらいが失われてしまっているのだけど、狩りをする人々、ライオンともにその緊迫した表情が凄い。ダイナミックな絵である。これであと4分の1があったら・・・
焼ける前に、ルドンが模写をしているので全体がどんなだったかはわかるのだけど。
ロートレックの習作があったが、ふーん、こんなのも描くんだ、という感じ。
Ⅴ.ボルドーの肖像-都市、芸術家、ワイン
ルドン、ルドンの師ブレダンの版画作品は西洋美術館所蔵のもの。
ルドンが描いた「ボルドーの河岸」、「メドックの秋」。色使いはルドンらしい。
ブーダンの作品も。ボルドーを描いた作品もあったのか。
ロートレックの「マルロメの想い出」、これ好き。ロートレックも故郷を描く時は全然違うんだなあ。
ロート、マルケなどの風景画もよかった。
そして、うれしや、ワインエチケットがたくさん!五大シャトーのもあったが、メドックのサン・ジュリアンのが好き。
カリカチュアを描いていた頃のモネの作品も楽しい。
エピローグ 今日のボルドー
ボルドー現代美術館からのアートで締めくくり。
これで、ボルドーについてはパッチリ!
展覧会は23日で終了です。
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