【画鬼 暁斎展】
art-37 【画鬼 暁斎展】 三菱一号館美術館
おととい、ようやく暁斎展に行って参りました。
ホントは7月に行くはずだったのだけど、忙しくなってしまって機会を逸し・・・
終了間際にようやく。
美術館到着は4時半だったのだけど、入場待ち30分という看板が出ていてこりゃダメかと一瞬絶望的に。でも駆け足でもいいから見たいということで列に並んだ。
結果的には20分くらいでチケットを買うことができて、閉館まであと1時間10分ということろで鑑賞スタート。
いやはや、しかしできれば終了間際は避けたいものですね。
Ⅰ 暁斎とコンドルの出会い
コンドルは数々の建築を残したイギリス人建築家で、三菱一号館の設計もコンドル。
そんなコンドルは日本美術のコレクターでもあって、暁斎に弟子入りしているが、コンドル設計の上野博物館で行われた博覧会がきっかけになったのではとのこと。
この博覧会で最高賞を受賞したのが「枯木寒鴉図」。シンプルな画だからこそ技量の確かさがわかる絵。この絵、榮太楼の初代が買い取って、今も榮太楼が保有しているそうである。
Ⅱ コンドル-近代建築の父
鹿鳴館、岩崎邸などなど、数々の建築を残したコンドル。
コンドル夫妻の写真が展示されていたが、意外と和装が似合ってる・・・
Ⅲ コンドルの日本研究
コンドルの著作とともに、コンドルの絵が展示されていた。
いやー、コンドルの絵のうまさにびっくり!暁斎の作品の模写もあったが、これは暁斎の作品ですと言われたら、信じてしまうかも・・・
特に「雪中鷹図」、「百舌図」は気にいった。
Ⅳ 暁斎とコンドルの交流
暁斎は毎日欠かさず絵日記をつけていたとのことで、今回もこの展示があった。楽しい絵日記である。是非とも全部見てみたいなあ(ショップに4冊おいてあったが)。今回は混み混みでゆっくり見ていられなかったのが残念だ。
コンドルが暁斎が写生する姿を水彩で描いた絵は、なんともほほえましかったりするが、暁斎は弟子の上達を祝って、6ヶ月もの製作期間を要して描き上げたのが、「大和美人図屏風」。前期だけの展示だったのとのことで見られなかったのが残念だ。
Ⅴ 暁斎の画業
メトロポリタン美術館より、動物画帖12作品がきていた(初公開)。
ある瞬間をどの絵もよく捉えているし、筆も細かく、どれもいいのだが・・・好きな作品を挙げるとしたら、「栗と栗鼠図」、「木菟図」だろうか。
道釈人物図のセクションで気にいったのが、「布袋の蝉採り図」。なんともいえずユーモラスな絵。
幽霊・妖怪図もおどろおどろしいとか怖いとかではなく、どちらかというとユーモラスで、「鳥獣戯画 猫又と鯉」などは、漫画チックである。
動物画で一番目をひくのは「月に狼図」。暁斎は狼も生首も(!)実際に見たことがあるとのことで、リアル・・・というかリアルすぎて怖い。生首を写生のため拾って帰ったとか・・・こうなると動物画の範疇に入れていいのかどうか。
山水画は、あまりイメージではないのだが、実際それほどたくさんは描いていないようである。フツーに上手いけれど。
戯画、風俗画は、元々暁斎のイメージであったということもあるけれど、楽しくて好き。一番気にいったのは「群猫釣鯰図」。
美人図では、「美人愛猫図」の猫の表情もいいのだが、「横たわる美人に猫図」もかわいい!「美人観蛙遊戯図」は、蛙がそこかしこに。あれこんなところにも、あんなところにも・・・あらゆる格好をした蛙。見ていて飽きない。
実に多彩な暁斎の絵を堪能できた展覧会でした。
(昨日で終了しています。)
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