【伊豆の長八展】
art-43 【伊豆の長八展】 武蔵野市立吉祥寺美術館
吉祥寺の美術館で開催されている伊豆の長八展に行って参りました。
伊豆の長八=入江長八は、元々左官屋さんだったのが、鏝絵(漆喰に鏝を使った浮き彫りをして彩色した絵)で有名となった人。
ワタクシ、数年前に長八の出身地、松崎にある伊豆の長八美術館に行ってるんですね。その時、いたく感激して、機会があればまた見たいと思っていたところ、ここで開催されるとは・・・
塗額
鏝絵、とっても細かい。
フツー、鏝というと、ホントに左官屋さんが使うものを連想するのだけど、ものすごーく小さい鏝も使うんですね。だから、あんなに細かい細工が出来るんだな。
そして、なんでも表現してしまう長八。
例えば、「富嶽」という作品では、竹の額縁までが鏝絵なのだけど、あまりにリアルで本物の竹と間違われ、防腐剤を塗られてしまったとのこと。
「臼に鶏」もまた、木枠が鏝絵。なかなかに遊び心がありますね。
「二十四孝」もまた斬新。雨が太いというか鋭いというか。
ユーモラスなのは「近江のお兼」。ちょっと3D的である。
塑像
ポスターにもなっている「上総屋万次郎像」。かなりリアル。ここまで表現できるのかと驚く。
毘沙門天、弁財天などは木彫りに見えるよ、ホントに。
掛軸
これまた、本物の掛け軸に見える不思議さ。
特殊作品
「漣の屏風」は、漣の表現が見事。
「衝立山水図/鶴図」、「衝立布袋袋と童子図/梅と椿図」は両面が違う絵でおもしろい。布袋さんは見ていてほっこりする。
ランプ掛け
天井のランプ掛け。龍と鷹とは勇ましい。
建築装飾
「寒梅の塗り掛軸」はおもしろい仕掛けが。掛け軸が描かれているのが、その掛け軸もまた鏝絵。古びた感じがよく出ているのだけど、ホント、この人、楽しい人である。
「貴人寝所の図」はアンバランスな構図が印象的。
いい展覧会ですね。
100円というのも魅力的。
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