【久隅守景展】
art-45 【久隅守景展】 サントリー美術館
サントリー美術館ではじまった久隅守景展に行って参りました。
久隅守景って誰?
どうも今まで見たことがないわけではないのだけど、認識したのははじめてかも・・・
第一章 狩野派からの出発
久隅守景は狩野探幽の弟子であり、探幽門下の四天王と言われた人物という。
というわけで、初期の作品はオーソドックスな水墨画。
おもしろいなと思った「十六羅漢図」も狩野安信の作品と似ているらしく、狩野派に共通のお手本があったとのこと。
第二章 四季耕作図の世界
守景といえば、四季耕作図、だそうである。
四季耕作図とは、中国から伝わった農作業を描く画であるが、探幽の作品とともに展示があった。
通常は、右から左へと季節は春~冬へと移っていくようだが、守景は逆から描いている(右からの方が見やすいような・・・)。
田起こし、浸種、田植え、草取り、稲刈り、脱穀、蔵入れ・・・と季節は進んでいくのだが、細部までじっくり見ていると、あ、こんなところにも描かれている!と発見があったり。見ていてあきない。
第三章 晩年期の作品-加賀から京都へ
国宝の「納涼図屏風」。アンバランスな構図もおもしろいのだが、人物像が実にユーモラス。男性は太い線、女性は細い線で縁取っているのだが、これは効果的。
神奈川の馬の博物館(そんな博物館があったのか)所蔵の「加茂競馬図屏風」も、よくよく見ると、居眠りしている人あり、ハッスルしている人あり。これまた飽きない。
第四章 守景の機知-人物・動物・植物
守景、守備範囲が広いようで、風景画だけでなく、人物、植物、動物と様々な画を描いている。
人物画では「鍋冠祭図押絵貼屏風」がおもしろい。美女(実際は鍋をかぶっていて顔はちらりとしか見えていないが)とおかめの対比。ぷっと吹き出しそうな画。
しかし、動物画が一番好きかなあ。
「花鳥図屏風」は一二ヶ月の花鳥を描いているが、鳥がなかなかにかわいらしい。可愛いといえば、「都鳥図」もいいですね。
第五章 守景の子供たち-雪信・彦十郎
守景(探幽の姪を結婚)の娘雪信は狩野派の絵師と駆け落ち、息子彦十郎は佐渡に島流しと、不祥事が続いたため、守景は探幽の元を離れたと言われている。
そんな子供たちの画。
彦十郎の絵は一枚だけあったが、父親よりは荒削りな感じ。ジャコウネコと猫がちょっと変??
雪信の絵は繊細かつ優美。
「粟鶉図」いいなあ。実際のところ、人気があって何枚も描いているとのことだった。
謎の多い絵師、守景。
前後期で入れ替わるので、やっぱり後期も行かねば!
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