【ニキ・ド・サンファル展】
art-47 【ニキ・ド・サンファル展】 国立新美術館
国立新美術館で開催されているニキ・ド・サンファルの大回顧展に行って参りました。
だいぶ前に大丸でやっていたニキ展に行き、ナナシリーズに圧倒され、那須のニキ美術館にも行ったのだが(2011年に閉館したとのこと)、久々にニキの作品を見ることとなった。
1 アンファン・テリブル-反抗するアーティスト
精神治療の一環としてアートを始めたニキの最初の頃の作品は、大好きだというガウディ風だったり、ポロック風だったり。
彼女を一躍有名にしたのが、射撃絵画。絵の具を詰めた缶や袋をオブジェとともに貼り付けて石膏を塗り、射撃によって作り上げるというもの。その過程そのものがアート(パフォーマンスアート)といえるけど、できあがった作品の絵の具が垂れる様子は、特に赤の絵の具などは血→暴力を連想させる。
その他に様々なオブジェアートを発表しているが、貼り付けてあるオブジェはとかげ、ワニ、兵士、車、不気味な人形などなど。なんとなく不気味で、不安定さを感じるもの。
2 女たちという問題
射撃絵画をやめたあとにニキが取り組んだのだが、女性をテーマとした作品。
はじめは、射撃絵画の延長というか、暴力を連想させる作品だったのが、友人の妊婦姿に着想を得たというナナシリーズでは一転突き抜けたような明るい作品へと変化する。
どれもプニ子系、堂々としていて、はじけていて。はねたり踊ったり逆立ちしたり。なんか楽しそう。とてもカラフル。スイカみたいな色をした「マダム」インパクトあり。
3 あるカップル
このテーマの作品たちもユーモラス。
ナナを思わせる女性が鳥にしがみついてる「恋する鳥」、表裏に男性、女性が描かれた「頭にテレビをのせたカップル」など、なんかクスっと笑ってしまうのだけど、よくわかったようなわからないような・・・
4 ニキとヨーコ-日本との出会い
日本の実業家、増田静江は、ある時ふと目にしたニキの作品にほれこみ、収集するようになった(美術館を作ったのもこの人)。増田はニキと意気投合、20年以上にわたり文通したり、プレゼントを贈ったりと親しくしたという。
ニキが増田に送った絵手紙がとても楽しいのだけど、プレゼントした小物たち(ブローチや置物など)がまたポップでキュート。素晴らしい贈り物だ。
5 精神世界へ
京都を訪れたニキが、仏像を見てインスパイアされ作成したブッダ。頭はミラーボールみたいにキラキラ、体はカラフル。なんともいえないブッダ。
エジプトのカバ、ヒンドゥーのガネーシャなども、こんな風に見えるの?なんか、おもしろくて笑ってしまう。
6 タロット・ガーデン
ニキは自身で資金を調達、トスカーナにタロット・ガーデンという庭園を作っている。影響を受けたというガウディのグエル公園にそっくり・・・みたいなのだが、実際に見たら楽しいだろうなあ。
4月から10月、一日のうち数時間しか公開されていないそうで、なかなか行くのは難しそうだけど。ニキワールド全開の庭園のようだ。
ニキの独特のアートを是非どうぞ。
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