【黄金伝説展】
art-1 【黄金伝説展】 国立西洋美術館
本年の美術館巡りはこの展覧会からスタート。
昨年行くつもりが、風邪が長引いていけず、ようやく行くことができた。
第1章 世界最古の金
金というからには、金細工がまず並んでるかと思いきや、金にまつわる絵からである。
ギリシャ神話の英雄イアソン関連の絵。
イアソンは、金の羊毛を手に入れるための冒険で有名。モローの「イアソン」はイアソンと王女メディアが描かれているが、モローワールド全開で、耽美的かつ幻想的。
ドラマチックなのはドレイバーの「金の羊毛」。王女メディアが追ってを振り切ろうと実の弟を海に落とそうとしているというちょっと怖い場面を描いている。
しかし、この章のハイライトは、40年ほど前に黒海沿岸のヴァルナで発掘された金製品。なんと6000年以上も前のものとか。今回、墓の一つが再現されていたが、もちろん人骨は偽物だけど金の装飾品は本物。よく残ってたよなあ。
第2章 古代ギリシャ
細かな装飾品の数々の展示。
ワタクシ、それほど金に思い入れがあるわけではないけれど、さすがにこれだけ見るとテンションあがりますね。ため息が出てくる。
動物がモチーフのものがいい。雄牛とか羊とかもあるけれど、ヘビというのが重要なモチーフかも。腕輪なんかにはなりやすいですしね。
そして、この章で絵画あり。
まずはミダス王。これはプサンの「パクトロス川の源のミダス王」。触れたものすべてが金になることを願ったために、食事もできなくなってしまうという・・・バカだなあ。
「アタランタとヒッポネス」。これは織物だったが、運動自慢のアタランタは並みいる求婚者たちを負かしてきたが、ヒッポネスが投げた黄金のりんごを拾っているうちに敗北、とうとう結婚することになったというもの。
「パリスの審判」は説明する必要はないと思うが、三菱一号館のルノワールの作品がきていたのだけど、ルノワールの大好きな体型の女性たち+パリスも女性っぽく(家政婦さんがモデルだったそう)、とてもギリシャ神話には思えないという(笑)。
「ダナエ」もありましたね。黄金の雨。
クリムトもあった。前から見たかった愛知県美術館所蔵の「黄金の騎士」。確かに、クリムトは金というイメージありますね。
第3章 トラキア
トラキア、ヴァルチトランの黄金製品は、農夫が発見したものの、はじめは金とは思わず、一番大きい入れ物だけ豚のえさ入れにと持って帰って使っていたところ、豚がぺろぺろなめてピカピカになり、はじめて金と気づいたという。
全点きていたけれど、まばゆいばかり。もちろん、豚のえさ入れもありました(笑)。何に使うのかわからない道具もあったけれど・・・
ヴァルチトランから1000年後の時代のバナギュリシュテの遺宝も偶然見つかられたものとのことだが、美しさからいったらこちらに軍配があがる。浮き彫りがすばらしい。
ヘラクレスが彫られたものもあったが、そこにはモローの「ヘラクレスと青銅の蹄をもつ鹿」も展示されていた。黄金の角と青銅の蹄をもつ鹿をとらえるというヘラクレスの偉業の1つが描かれる。夕景が美しい。
第4章 エトルリアとローマ
細工の細かさからいうとエトルリアのが一番。とにかく細かい。虫眼鏡がほしいくらい。粒金細工というらしいのだけど、よくよく見ると砂粒ほどの金がびっしりと貼られているのである。
「動物模様のある留め具」は葬られた人の衣服の留め具とのことだが、131もの小さな金細工の動物が並んでいるのである!ずっと見ていて飽きないね。
「蛇の頭部のあるレベス」も見事。
フィブラ・・・留め具に使ったブローチもたくさんあったのだが、蛭型というのはどうも・・・
ヴァチカン所蔵のレゴリーニ・ガラッシの墓から出土したという腕輪も立派。細工も細かいのだけど、ゴージャスだった。
目の保養をしたい方は是非どうぞ。
11日で終了です。
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