【生誕290年記念 勝川春章―北斎誕生の系譜展(前期)】
art-10 【生誕290年記念 勝川春章―北斎誕生の系譜展(前期)】 太田記念美術館
太田記念美術館で開催されている勝川春章展に行って参りました。
生誕290年と銘打たれているが、つい最近の研究で17歳若かったという資料が発見されたとの報道があった。ホントのところはどうなんでしょうね。
役者絵
勝川春章ははじめ役者絵で人気を博す。
それまでと違ってリアルに描いたという(それまでは全部同じ顔だったの?)。
残念ながら歌舞伎は全然見ないので役者についてはわからないのだけど、着物の柄などとても細かく、顔だけを描くのでなく全身が描かれたものは躍動感がある。
楽屋での様子を描いた作品が役者の人間性が出ていて興味深い。
弟子たちの作品も出品されていたけれど、師匠の方が線が繊細な気がする。
美人画
春章の美人画、いいですねぇ。
初期の頃は鈴木春信の作風に似ており、鳥居清長の作風も取り入れているようだけれど、次第に独自の味が。
単に美人を描いたというだけでなく、風俗画的な作品がおもしろい。
蚕業を描いた美人画シリーズ「かゐこやしなひ草」が特に興味深い。春章が奇数、北尾重政が偶数を担当していて、前期は春章の作品。これ、全部並べてほしかったな~後期も見なければ!
相撲絵
相撲絵というジャンルを確立したのも春章だという。
ややデフォルメされているのかとも思うけれど、とてもユーモラス。
特に「江都勧進大相撲浮絵土俵入後正面之図」がおもしろいのなんの。遠近法がちょっと変ということは置いておいて、なんかこれホント力士っていう人も見え隠れする土俵入りである。
武者絵
武者絵も春章の得意とするところ。
なかなかに勇ましい。
北斎の師匠として
春章にはたくさんの弟子がいたが、北斎も若き日に春朗の名で弟子として活動していた。
春朗時代の作品が見られたのは収穫。若い頃の役者絵は、まだまだ北斎とはわからない・・・というか勝川派そのものだけれど、風景画は後年の遠近法につながる表現が見られますね。
春章という絵師を知るいい機会ですので是非どうぞ。
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