【ボッティチェリ展】
art-14 【ボッティチェリ展】 東京都美術館
先週土曜日、仕事を終えた午後行ったのがボッティチェリ展。
昨年も、Bunkamuraで開催された「ボッティチェリとルネサンス展」に行ったところだが、ボッティチェリの作品は動かすのが難しいものが多く点数を集めるのが大変そうで。昨年は17点きていてなかなか!と思ったが、今回は20点もきているというので楽しみにしていた。
第1章 ボッティチェリの時代のフィレンツェ
いきなり、ボッティチェリの「ラーマ家の東方三博士の礼拝」が。
聖母子にまず目がひきつけられるが、まわりの人物にも注意しなくては。聖母子の元にひざまづいている博士はコジモ・デ・メディチ。その他コジモの息子たちなど、時の権力者メディチ家の人たちや、注文主も描きこまれている。そして一番手前には画家自身。めちゃくちゃカメラ目線(笑)。ありふれた東方三博士の絵かと思いきや・・・
その他、この章ではこの時代の杯、メダル等の他、ヴェロッキオの作品もいつくか。
第2章 フィリッポ・リッピ、ボッティチェリの師
この章の中心となるのは、師フィリッポ・リッピである。
正直、今回きていたフィリッポ・リッピはやや微妙なのもあった(ワタクシの趣味的にという意味で)。
自分のイメージのマリアとは違ったりして。
一番うつくしかったのは素描作品「ヴェールをかぶった女性頭部の習作」かも。
「聖母子と天使たちおよび聖人たちと寄進者」は構図がおもしろいのだが、寄進者ってどうしても描かないと納得しないんでしょうか・・・それも目立つ場所に!
第3章 サンドロ・ボッティチェリ、人そして芸術家
メインのボッティチェリ。
ボッティチェリだけでなく、工房作もあるのだが、やはり工房作は若干落ちるような・・・筆が繊細じゃないんですね。
「バラ園の聖母」は背景がいいですね。アーチ型というのもあるのか非常に立体的。
「書斎のアウグスティヌス」は迫力のある作品だけど、フレスコ画・・・ってどうやって持ってきたのか・・・(あ、すでに剥離されていたの?)
そして「書物の聖母」!
今回きた中で一番気にいったのがこれ。これを見るだけでも行く価値あり。なんと贅沢で美しい絵なんでしょう。筆使いの細かさもすごい。
日本にもボッティチェリがあったのんだ、というのが「美しきシモネッタの肖像」。ヴィーナスの誕生のモデルにもなったと言われるフィレンツェ一の美女と言われた女性。髪や衣服の表現に注目。
「アペレスの誹謗」。これはもうサヴォナローラの影響が大いにありますね。ねじれた肉体、沈んだ表情・・・
「オリーブ園の祈り」も衣服は鮮やかなのに、あきらかに若い頃のボッティチェリとは違う。
「ホロフェルネスの頭部を持つユディット」、怖い。肌の色も・・・
「聖母子と洗礼者聖ヨハネ」は去年も見た作品ですね。
第4章 フィリッピーノ・リッピ、ボッティチェリの弟子からライバルへ
フィリッピーノ・リッピは好みの作品が多かった。お父さんの作品より好きだな~
聖母子像は明らかにボッティチェリの影響を受けていると思われるけれど、ボッティチェリより優しい絵かも。
特に気にいったのは「幼児キリストを礼拝する聖母子」。
ただし、中に異質な作品が!
「洗礼者聖ヨハネ」と「マグダラのマリア」。やせこけ、ゆがんだ肉体に緑色の肌。これってサヴォナローラの影響でしょうね。
貴重なボッティチェリを是非どうぞ。
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