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2016/05/15

【広重ビビッド展(前期)】

art-32 【広重ビビッド展(前期)】 サントリー美術館

1605151
サントリー美術館で開催されている広重ビビッド~原安三郎コレクション~に行って参りました。
日本化薬の元会長原安三郎氏のコレクションの中から、広重作品を中心として紹介するもの。名所江戸百景と六十余州名所図会がすべて見られると聞いて、楽しみにしていた。

国内にも数セットしか存在しないという初摺(しかも早い時期のもの)ということで、ホントにきれい!
まさにビビッド!ため息が出るほど。

第1章 初公開 歌川広重〈六十余州名所図会〉
まずはこのコレクション初公開となるシリーズから。
東海道、東山道、北陸道、山陰道、山陽道、南海道、西海道68ヶ所+江戸の69図(目録入れて70)。いや~圧巻ですねぇ。
広重ってずいぶんあちこちに旅したのね、と思ったけれど、全ヶ所行ったわけでなく、いろいろな本を参考にして描いたようである。
その中で、淵上旭江の写生集の展示があったが、確かにこうしたものを参考にしつつ、デフォルメしたり配置を変えたりして描いた様子がうかがえる。
以下、好きな作品。
「三河 鳳来寺山巌」山が天に届きそう。
「駿河 三保のまつ原」こんなに富士山は美しく見えない・・・と思う。
「甲斐 さるはし」奇矯さるはし、一度行ってみたい。下から見た方がいいのだろうか。
「相模 江ノ嶋 岩屋ノ口」ちょっとデフォルメしすぎ?懐かしい風景(近くに住んでたので)。
江戸の浅草市は後摺の展示もあったが、やっぱり全然違いますね。断然初摺の方がきれい。
「美濃 養老ノ瀧」斬新!
「下野 日光山裏見ノ瀧」滝マニアとしてははずせない。
「丹波 鐘坂」奇岩!
「美作 山伏谷」雨の表現が斬新。
「安藝 祭礼之図」あえて鳥居が半分なのがおもしろい。
「阿波 鳴門の風波」渦がダイナミック!
「薩摩 坊ノ裏 雙剣石」さすがにこれは岩がするどすぎる・・・

第2章 最晩年の傑作 歌川広重〈名所江戸百景〉
(実際はこれは最後の展示です)
名所江戸百景はよく見る機会はあるけれど、有名な作品ばかりでマイナーな作品は見たことがない・・・ものが多いはず。今回は全作品が見られるとあってワクワク。
ただし、有名な何点かは全期間展示だけれど、基本は前後期入れ替え。
全期間展示されるのは、
「大はしあたけの夕立」これも雨がいいですね。
「深川萬年橋」亀の絵!構図がおもしろい。
「亀戸梅屋鋪」ゴッホですね。これ、色がきれいでした。
「深川州崎十万坪」これも構図がおもしろい。
「王子装束ゑの木大晦日の狐火」異色の作品。幻想的。
前期展示で好きなのは、
「永代橋佃しま」青が美しい。
「両国橋大川ばた」青と赤のコントラスト。
「亀戸天神境内」まさかの色指定間違いとか。確かに!
「高輪うしまち」犬がかわいいのだ。
「高田の馬場」弓道場とはおもしろい。

第3章 幻のシリーズ 葛飾北斎〈千絵の海〉
現存数が少ないシリーズだそう。10点全部揃っているものがあまりないとのことで貴重ですね。
日本各地の海や川の漁の様子を描いたシリーズで、荒い波あり、渦巻く流れあり、静かな海あり。
鯨漁を描いた五島鯨突がいいですね。
総州銚子も迫力あり。

第4章 名所絵の名品――葛飾北斎、歌川国芳とともに
この章も前後期入れ替え(何枚かは全期間展示)。
冨嶽三十六景、諸国瀧廻り、諸国名橋奇覧、東海道五拾三次など有名どころも並ぶ中、不思議だったのは国芳の「近江の国の勇婦お兼」。西洋画風だからなのか・・・

後期も是非行こう!

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