【奥村土牛展】
art-26 【奥村土牛展】 山種美術館
ゴールデンウィーク後半戦は、土牛展でスタート。
山種美術館開館50周年を記念しての特別展だが、初代館長山崎種二がまだ土牛が無名の頃から収集したとあって、所蔵作品は135点もあり、その中の選りすぐりの展示なのである。
まずは「醍醐」からスタート。
桜全体を描くのではなく、太い幹がどーんと真ん中にあり、桜は上が切れているという構図。この幹の存在感と、対照的なピンクのきれいな桜の花。
第1章 土牛芸術の礎
16年ぶりに公開されたのが「麻布南部坂」。ややセザンヌ風。岸田劉生の影響も?家々があちらこちらを向いており、電柱も曲がって立っているのがおもしろい。
「雨趣」にも電柱が。こちらは淡い色彩で雨が描かれている。
罌粟や兎の絵もあり、これがあの有名な「兎」の絵につながるのだなと思った。
「餌」に描かれているのは鶏の幼鳥?
第2章 描くこと 見つめること
ということで「兎」(1947年頃)である。
いやー、このうさぎがかわいいこと。目がくりっとして、体がまーるくなって、罌粟の赤い色がいいアクセント。
「軍鶏」が大迫力。ちょっとデフォルメされているのではないかと思うが、飛びかかられたら怖そう・・・
「水蓮」は一瞬だまし絵的。水蓮が鉢に浮かんでいるのだが、その鉢には蓮と鯉?かな魚が描かれているのである。楽しいアイディア。
「鳴門」は吸い込まれそうな渦。単色に近い色合いなのだが、まさに鳴門の渦ってこんな感じなんですよね。
「雪の山」は幾何学的でちょっと抽象画っぽい。
意外と風景画には幾何学的なものが多くて、「城」、「門」、「茶室」なんかもそう。構図がいいんですね。
第3章 白寿を越えて
80歳を越えてからの作品が並ぶ。いやはや精力的。画力も衰えず。
さすがに90歳を越えてからの作品は細かいところまでは描かれていないが、それはそれで味わいが。
90歳少し前の作品「吉野」の淡い色調は美しいし、85歳の時の作品
「閑日」のくしゃっとした猫、可愛いなあ。
土牛の作品をまとめて見られる機会です。是非どうぞ。
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