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2016/05/07

【フランスの風景 樹をめぐる物語展】

art-28 【フランスの風景 樹をめぐる物語展】 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館

1605071
Bunkamuraで国芳・国貞展を見たあと新宿に移動、樹をめぐる物語展へ。
いつまでたってもこの美術館の名前が覚えられないのだが(東郷青児美術館でもいいじゃん!)・・・
それほどの混雑でもなくゆったりと見ることができました。

第1章 戸外制作の画家たち
自然がテーマの絵画が描かれるようになったのはほぼ19世紀以降。
まずはロマン派、バルビゾン派である。
まず、へーと思ったのはジョルジュ・サンドの絵があったこと。絵も描いたんですね、サンドは。
コロー「エトルタ近くの風景」。コローらしい落ち着いた色調の風景画。エトルタ・・・といってもアヴァルの門が描かれてるわけではなし。
ラ・ペーニャの「フォンテーヌ・ブローの樫の木怒れる者」は顔が見えるような・・・
テオドール・ルソーで一番よかったのは「バルビゾン、夕暮れの牧草地」。これぞバルビゾン派!
ドービニーも定番ですね。
ドレの「嵐の後、スコットランドの急流」はダイナミック。
ちょっと変わったところでは、モンナールの「剪定」。よく登ったね、そんな樹の上まで・・・というか、剪定をテーマにはなかなかしないと思う。

第2章 印象派の画家たちと同時代の風景画
カイユボットの「セーヌ河岸、プティ=ジュヌヴィリエ」。穏やかな空気が流れる。
ピサロは6点。これは!という作品があるわけではないけれど、どれも安定してよいのがピサロ。ピサロ、息子たちもみんな画家だったんですね。リュシアンは何番目の息子か忘れたけれど、画家兼木版画家だったそうで、本の装丁画はいい感じだった。
モネは部屋に入った途端、ああモネだとわかる。「ヴェトゥイユの河岸からの眺め、ラヴァクール(夕暮れの効果)」は、水面のきらめきと樹にあたる光が美しい。
新印象派の作品がたくさんあった。
リュース、シニャック、ゴーソン・・・
リュースは労働者の絵をたくさん描いているが、今回はあくまでも風景。「日没の風景」美しい。
ゴーソンはわかりやすい点描で、かなりカラフル。
ルイ・アイエもいいですね。

第3章 ポスト印象主義と20世紀前衛芸術への試み
ルドンの「ペイルルバードのポプラ」。カラフルな時代のルドン。
知らなかった画家だが、ロベール・アントワーヌ・パンションの作品は気にいった。「道、雪の効果」色合いが何とも言えずいいし、「ブランヴィル=クルヴォンの谷」はぼたっと絵の具を置いているのだけれど、カラフルで楽しい。
そして大好きなドニも一枚。ドニも色だよなあ。
ドニの他、ナビ派は多数あり。
ランソン、セリジェ。ナビ派の描く樹・・・というか森は何かが出てきそう。神話的というか、魔法の森みたい。ファンタジーの世界。
ヴァロットンも。前にも見たことのある「オンフルールの眺め、朝」の樹は人間みたい。生きてるみたい。なーんか変な絵だ。
ポスト印象派のアンリ・リヴィエールが見られたのもうれしい。エッフェル塔三十六景しか見たことなかったと思うので。
野獣派マティスの作品は意外とおとなしかった。

地味なテーマかもしれませんが、なかなかいいです。落ち着きます。
是非どうぞ。

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