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2016/07/19

【ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち展】

art-43 【ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち展】 国立新美術館

1607191
午前中、ルノワール展を見て、食事をはさんで今度は美術館の2階へ。
先頃はじまったばかりのヴェネツィア・ルネサンスの展覧会である。
こちらはすいていて、快適に鑑賞できたが、中は寒いので上着が必要かと。

ほぼヴェネツィアのアカデミア美術館所蔵の作品で構成。
何年か前にヴィネツィアに行った際、訪ねた美術館だが、ティッツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼ、ベッリーニ、ジョルジョーネなどなどが大変充実していて、一部改装中だったが2時間くらい見るの要した美術館。

第1章 ルネサンスの黎明―15世紀の画家たち
まずはベッリーニからスタート。
「聖母子」である。遠くから見たら、聖母子の上に赤いものが描かれていて、バラかしら?と思ったら、赤い天使なのだった。ちょっと怖い。こうした聖母子像の場合、背景に描かれた風景を見るのも楽しみだったりする。
受胎告知の場面は、何枚かあったのだが、サリバの「受胎告知の聖母」は本を読むマリアの半身像のみが描かれており、頭の上の光輪がなければマリアとはわからない。
わからない、とえば、カルパッチョの「聖母マリアのエリザベト訪問」はまわりの人物しかり、いろいろな動物しかり、家に干されている絨毯しかり、俗っぽくて題名を見ないと何の場面かわからないという・・・カルパッチョは宗教的主題の中にヴェネツィアの風俗を描いた画家と聞けば納得なのだけど。

第2章 黄金時代の幕開け―ティツィアーノとその周辺
ヴェロネーゼ(といってもあのヴェロネーゼではなくて、ボニファーチョの方)とティツィアーノ。
ヴェロネーゼの「嬰児虐殺」は、結構残虐。
「父なる神のサン・マルコ広場への顕現」は風景画と宗教画の融合。右側に白い鳩が描かれている・・・と思ったら、3枚からなる絵で右には受胎告知のマリア、左には大天使ガブリエルが描かれているらしい。
そして、ティツィアーノは、今回の目玉、「受胎告知」。
サン・サルヴァドール聖堂から持ってきたという祭壇画で、高さ4メートルあまり、いやー大きいですよ。
そして、とってもドラマティック。急降下する鳩、天使の出現にびっくりするマリア・・・ちょっと大げさな場面になってる気もするけれど、迫力あります。
「聖母子」は対照的に、落ち着いた作品。聖母の優しい表情が素敵。

第3章 三人の巨匠たち―ティントレット、ヴェロネーゼ、バッサーノ
ドラマティックといえば、ティントレットもそう。
マニエリスム的な人体表現、アクロバティックな姿勢、そして感情が荒れ出すような表現。
「聖母被昇天」は首だけ天使がぐいぐいと聖母を天に押し上げ、周囲の人物たちが驚いている、という図。
「動物の創造」は神がいろいろな動物を創造したという場面だが、神様が飛んでる!躍動感溢れる作品なのだが、この動物なんだ?というものもあり、ちょっとおもしろい。
もっともマニエリスム的なのは「アベルを殺害するカイン」。ねじれてますねぇ。
バッサーノは今まで注目したことがなかったのだが、今回見て結構おもしろいなと。この人もマニエリスムの影響が大きいんですね。
ヒエロニムスがなんだかムキムキだったり(笑)。
風景の中に宗教的主題を描いた画家だそうで、風景も見どころ。
パオロ・ヴェロネーゼは、なんといっても色彩がいいですね。カラフルで明るい。
「レパントの海戦の寓意」はちょっとシュールだったけれど・・・
こんなに船が狭いところにたくさんいるの?なんで天使が船に向かって矢をはなってるの??うーむ、おもしろすぎる・・・

第4章 ヴェネツィアの肖像画
ヴェネツィア画派は肖像画を得意としたそうで、ティントレットの作品も2枚。非常に重厚感溢れる肖像画だった。

第5章 ルネサンスの終焉―巨匠たちの後継者
第3章の巨匠たちを継いだのは、ティントレットの息子ドメニコ、バッサーノの息子レアンドロ、そして、ティントレットの流れを汲むジョーヴァネ、さらにはティッツィアーノの画風を模倣したパドヴァニーノ。
ドメニコの作品は暗めの画面。
レアンドロは、もしかして昨年の【ウィーン美術史美術館所蔵風景画の誕生展】の出品されていていいなあと思った月歴画を描いた人だろうか?
ジョーヴァネの2枚「放蕩息子の享楽」と「放蕩息子の帰還」、これは気にいった。わかりやすい。
パドヴァニーノは、お馴染みの主題をドラマティックというか官能的に描いた画家のうようだった。

ルネサンス絵画のお好きな方は是非どうぞ。

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