【メアリー・カサット展】
art-41 【メアリー・カサット展】 横浜美術館
印象派のアメリカ人女性画家メアリー・カサット展に行って参りました。
なんでも日本での回顧展は35年ぶりとか。
今回は、招待券をラッキーにもゲット!
Ⅰ. 画家としての出発
カサットはアメリカの裕福な家庭に生まれ、画家をめざしてパリへ。
巨匠たちの名作を模写して腕をみがいたという。
そういう影響が見てとれるのが「バルコニーにて」。
バルコニーというとマネの「バルコニー」を連想するけれど、スペイン絵画の影響が強いだろうか。
このあたりの絵は印象派と交わるものはない。
Ⅱ. 印象派との出会い
Ⅰ 風景の中の人物
やがてカサットはドガとの出会いにより、印象派展に出品するようになる。
印象派らしく、戸外(風景)の中の人物を描いた作品もあるが、風景画はあまり描いていないんですね。
「庭の子どもたち」は描き方が実に印象派的だが、「浜辺で遊ぶ子どもたち」はそうでもなく・・・ただ、色彩が明るい作品で、これは好きな作品の一つ。子どもたちがプクプクでかわいい!
ドガやピサロの影響で銅版画の制作にも熱中したということで、今回はその展示もたくさんあった。油絵もいいけれど、版画作品もなかなか。
Ⅱ 近代都市の女性たち
初来日のボストン美術館蔵「桟敷席にて」。マネとドガの融合といった感じ。
向こうから男性が、女性のことを観察しているのだが、女性はそのことに気づいていなか、無視しているのか・・・女性の意思の強さを感じますね。マグネットを購入。
銅版画作品にも同じようなテーマの作品があったけれど、これはドガっぽい?と思ったら、ちゃんとドガの作品も展示あり。
中に、「ルーヴル美術館考古展示室にて、メアリー・カサット」なる版画も。座ってカタログ?を読む姉リディアと、彫刻を熱心に見るカサットの姿。
Ⅲ 身づくろいする女性たち
版画作品3点。
Ⅳ 家族と親しい人々
両親と姉がアメリカから移住して一緒に住むようになり、家族をモデルに描いた作品も多い。
数年後に病気で亡くなってしまう姉リディアを描いた作品、芸術に感心が深かった母親を描いた作品。家族が好きだったんだなあということがわかる。姉が亡くなった後には、あまりにショックでしばらく筆をとることもできなかったという。
印象派の四大女流画家の残りの3人、ベルト・モリゾ、エヴァ・ゴンザレス、マリー・ブラックマンの作品も展示あり。モリゾは結構好き。
Ⅲ. 新しい表現、新しい女性
Ⅰ ジャポニズム
カサットはパリで開催された浮世絵展に感銘を受け、その影響を受けた作品を生み出している。
「夏の日」はモネ風なのだけれど、この大胆な構図は浮世的。チケット入れを購入。
そして、女性の日常を描いた多色刷り銅版画の連作(10点)。これが全部今回来てるんですね。
以前、【ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展】で「湯あみ(たらい)」のみ見ているのだけど、このシリーズは素敵。テーマや構図などは浮世絵に影響を受けているのは確かだけれど、彩色はカサットならでは。線も(ドガが嫉妬したというけれど)繊細。いい意味で女性らしさが出た作品である。
Ⅱ カサットが影響を受けた日本の美術品
カサットが収集していた浮世絵など。
北斎の諸国瀧廻り、デザイン的要素が気にいったんでしょうか。
Ⅲ シカゴ万国博覧会と新しい女性像
シカゴ万国博覧会では女性館の壁画を描いたそう(現存せず)。
その壁画のモティーフに関連した作品があった。その作品の一つ、「果実をとろうとする子ども」はピンクのドレス(親子の肌の色もピンク)と背景の緑が美しい。
カサットの壁画の向かいの壁画を描いたのがマクモニーズという画家で、1枚きていたのだが、遠くから見るとシャヴァンヌのようだった。
Ⅳ 母と子、身近な人々
母子像を描くことが多くなったカサット。
どれもやさしい目線で描いていて素敵なのだが、一番気にいったのは、「家族」。構図が聖母子と聖ヨハネなのである。
晩年は目を悪くしたため、見えやすいパステルを使って描いているが、油彩とは違った魅力でいいですね。明るい作品が多い印象。
印象派という枠にはまらない、作品が楽しめます。
是非どうぞ。
コレクション展も女性がテーマ。
こちらは撮影もOKです。
« 新宿:博多天神 新宿東口店 | トップページ | 国分寺:鬼無里 国分寺店 »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 【特別展はにわ】(2024.11.25)
- 神代植物公園3(2024.11.19)
- 【カナレットとヴェネツィアの輝き展】(2024.11.04)
- 【英一蝶展】(2024.10.14)
- 【田中一村展】(2024.09.23)
コメント