【エミール・ガレ展】
art-44 【エミール・ガレ展】 サントリー美術館
夏休み3日目は、サントリー美術館で開催されている、オルセー美術館特別協力・生誕170周年エミール・ガレ展へ。
平日でしたが、結構混んでましたよ。
そして、いつものごとく寒い(笑)。サントリーに行くときはジャケットをお忘れなく、であります。
Ⅰ ガレと祖国
ガレは高級陶器とガラスの製造販売会社を営む家庭に生まれたとのこと。やがて父を手伝うようになったガレは才能を開花させていく。
若い頃の作品は、非常にオーソドックスで、今までいわゆるガレっぽいものばかり見てきたので、とっても新鮮。後年の作品に比べると地味だけど、これまたいいですね。女神がモチーフの作品なんか好き。
この頃の作品はガレと言われないとわからないものも多いのだが、蝶をモチーフにしたりと、その後を予感させる作品もある。
Ⅱ ガレと異国
ガレは日本、中国、イスラムなど異国の美術の影響を大きく受けている(収集品も展示されていた)。
鯉なんて実に日本的だし、模玉ガラス花器はワビサビが感じられるし、「ペリカンとドラゴン」の壺は北斎の富岳百景からモチーフを持ってきたもの、らしい。
一番気にいったのは、栓付瓶の「バッタ」。着飾ったバッタ、おもしろい!欲しい!
Ⅲ ガレと植物学
ガレというと、ついつい生物がモチーフの作品の方に目がいってしまうのだが、植物のモチーフを実に多い。ナンシーの園芸協会の創立メンバーだったり、自宅の1ヘクタール以上の庭で2000種以上の植物を栽培していたとか。と思ってみると、細かに観察された成果がよく現れているといえる。
ナスだったり、アイリスだったり、その形が効果的に使われていて楽しいし、木立がモチーフは、暗い森がせまってくるよう。
インパクトがあったのは、カトレア。花瓶自体の色も結構鮮やかなのだが、カトレアの赤い花がべたっと張り付いているようで、見るとびっくり。
Ⅳ ガレと生物学
ガレが生物をモチーフにしたものというと、蜻蛉や蝶というイメージがあるのだけど、結構いろいろなものをモチーフにしてるんですね。
意外と海のものも多い。貝や魚などはまあわかるのだけど、くらげ!なかなか思いつかないよねぇ。気にいったのは、蛸。なんかユーモラス。
きれいだなと思ったのは、カワセミ。
ガレは家具も結構作成しているのだが、「森」と題された飾り棚、いいじゃないですか。向こうに浮き上がる木々の手前に蝙蝠型のガラス窓。うちに置きたい(笑←ムリ)。
Ⅴ ガレと文学
ガレはユーゴー、デュポン、メーテルリンク、モンテスキュー、ヴェルレーヌといった文学者の言葉を刻んだ作品も多く残している。
言葉を読むと、ではガレの作品をどう解釈したらいいんだろう、とついつい考えこんでしまいますね。
この展覧会では、作品の元になった習作(デッサンなど)も同時に展示されていたのだが、これがとっても素晴らしいのである。細密に描かれていて、ボタニカルアートのよう。これだけで展覧会もできそうな・・・
エピローグ ガレの究極
プロローグでは、ガレの晩年の作品、脚付杯「蜻蛉」が飾られていたが、エピローグは「ひとよ茸」のランプ。実に幻想的。これこそ、ガレのイメージ。
今まで見てこなかったような作品も見られた展覧会。
ガレに飽きちゃったという方も楽しめると思いますので、是非どうぞ。
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