【古代ギリシャ 時空を超えた旅展】
art-46 【古代ギリシャ 時空を超えた旅展】 東京国立博物館
午前中、ホテルオークラで旅への憧れ、愛しの風景 マルケ、魁夷、広重の見た世界展を見て、次は汐留ミュージアムへ・・・
と思ったらなんと特別休館日!
汐留ではお昼を食べただけで、すぐさま向かったのは上野。
古代ギリシャといっても広範囲にわたる文化だが、はじまりから終焉まで広く網羅されていた。
オープニングは後期ヘレニズムの「イルカに乗ったアフロディテ像」。優美な像。尾にはエロスが必死にしがみついているのがかわいらしい。
第1章 古代ギリシャ世界のはじまり
石器時代の像は丸いものが多く、あまり顔などがはっきりしないが、キュクラデス文明の像はおもしろい。細長く、腕を胸の下で組んだ姿。これは何を表しているのだろう?
容器もいろいろあったが、何に使うのだろうというものが多かった。
第2章 ミノス文明
ミノスといえば牛を連想するのだが、ありました牛!牛頭型リュトン。
いやしかし、印象に残ったのは海関係。イルカ、貝、魚、海藻。中でも蛸!蛸が描かれた葡萄酒の甕って、ワインと蛸はあまり結びつかないけど、ま、海洋文明ですから。
ポスターにもなっているのが「漁夫のフレスコ画」。遠目でみると持っているのが何かわからなかったけれど、魚の束。でもツッコミポイントは漁夫の髪型でしょう。蛸??
第3章 ミュケナイ文明
ここでも蛸の飾り板などもあったけれど、金細工とかアクセサリー類が充実。
死者は立派な武具や黄金で飾られて埋葬されたそう。
第4章 幾何学様式~アルカイック時代
ミュケナイ文明が滅びると長く暗黒時代が続き、次に出現したのが幾何学様式時代。
幾何学紋様ってその前はなかったのか。
もちろん、幾何学的な模様は入っているけれど、物語性のある模様もあり。
でももっといいのがアッティカのもの。模様が結構おもしろい。
この時代も金細工もあったようだが、銀貨もすばらしい。動物柄がいい。これらの細工は細かいので単眼鏡で見た。
セイレーンも登場。ギリシャ神話に出てくる、上半身が女性、下半身が鳥という海の怪物で、少々気味が悪い。
第5章 クラシック時代
この時代がもっとギリシャ的なのでしょう。よく見るなという感じ。
ちょっとおもしろかったのが、公職者を選ぶためのくじ引き器、裁判(裁判員裁判だったらしい)の有罪無罪を投票するための道具、僭主となる恐れがある者を追放するための陶片。民主制のめばえだろうか。
耳、乳房、足のレリーフは、治った人が感謝の意味をこめて奉納したものだとか。逆のような気もするのだけど・・・
第6章 古代オリンピック
紀元前8世紀にはじまったオリンピック。最初は徒競走のみ、その後5種に(徒競走、円盤投げ、槍投げ、走り幅跳び、レスリング)。
幅跳び、古代ではハレテレスというおもりを持って跳んだそうだけど(展示あり)、距離がのびるんですかねぇ。
また各競技後は、ストレンギスという垢掻きヘラで体をきれいにしたとのことで、その展示があったが、墓碑などにもその姿が描かれていたようである。
第7章 マケドニア王国
マケドニアといえばアレクサンダー大王。
アレクサンドロスの頭部はなかなかにハンサムである。
この時代、権力者の墓には金製品が副葬されたとのことで、ゴージャス!
金の冠のまぶしいこと!
金貨、銀貨も細工が細かく美しい。
第8章 ヘレニズムとローマ
アレクサンダー大王の死後のヘレニズム時代を経て、やがてローマ時代へ。ギリシャ時代は終焉を迎えるが、ローマ人はギリシャの美術や文化にひかれ、これを継承することとなる。
アフロディテ像は、ルーヴルのミロのヴィーナスと同じ姿で作られているが、サイズは少し小さく、少しなで肩っぽい。
アルテミス像の方が優美。
アフロディテはモザイク画もあったが、少々漫画チック。
気にいったのは、エジプトの神、ホルス神である。
ギリシャの歴史をおおまかに知ってから行った方が楽しめますが、会場にもそのあたりはしっかり解説があるので大丈夫。
展示数も多く密度の濃い展覧会なので見るのには時間がかかること必至!
是非どうぞ。
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