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2016/08/16

【メッケネムとドイツ初期銅版画展】

art-47 【メッケネムとドイツ初期銅版画展】 国立西洋美術館

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夏休み5日目の美術館巡り。3つめはメッケネムとドイツ初期銅版画展である。
西洋美術館が世界遺産に登録されることが決まって以来、美術館が混み混みと聞いていたので心配だったのだが、さすがに夕方5時という時間だったし、建築自体が見たいという人は常設展の方にいくものと思われ、すいていてストレスなく鑑賞することができた。
版画で混み混みだと辛いですからね。

メッケネム、ライン川下流の街で活躍した15世紀後半~16世紀前半の銅版画家。西洋美術館も何枚か持っているので、版画室等で今まで見たことがあったのかもしれないが、はじめて聞く名前である。

Ⅰ メッケネムの版画制作の展開とコピー
この時代はコピー作品に寛容だったようで、メッケネムは当時人気のあった同世代版画家のショーンガウアーや、30歳近く年下だったデューラー等の作品コピーを大量に制作している。
主題はキリスト教でお馴染みの場面が多いのだけれど、オリジナルと比べると正直オリジナルの方が上手いと思ったり(笑)。
特にショーンガウアーと比較すると、ショーンガウアー作品の方がすばらしく・・・
メッケネムのコピーはほぼオリジナルに忠実ではあるものの、たまに書き加えられているものがあったり、逆に省略したり、決定的な違いは図柄がおかしくならない限りは反転していて、まるで間違い探しをやっているかのよう。
メッケネムはちょっとぼんやりしてる感じ、メリハリが少ない気がする。
自画像+奥さんの肖像があったが、ダブルポートレイトとしては銅版画初の例だったそう。

Ⅱ 聖なるもの:キリスト教版画
聖カタリナ、バルバラ、アグネス、フランチェスコとお馴染みの聖人が並ぶ中、ツボにはまったのが、「聖アントニウスの誘惑」。悪魔たちに誘惑されるアントニウスを描いたものなのだけど、なんか悪魔たちが笑っちゃうというか、怖くないのである。アントニウスの顔も困り顔。
十二使徒が2人ずつ描かれた作品は、すべて揃えないと御利益がないと言ってセットで売り出したとか。
いや~商売人ですなあ、メッケネムさん。
そう聞いて自画像を見ると、お金が好きそうな(笑)。

Ⅲ 俗なるもの:世俗主題版画
世俗画はメッケネムのオリジナルだったのだろうか。
このパートが一番おもしろかった。コピー元がないと技術の差が見えないのでよかったのか。
風俗画的楽しさである。
ポスターにもなっている「モリスカダンス」のなんともいえないおかしみ(ダンスが変!)。
そして「日常の諸場面」という作品集がおもしろい。日常生活といっても、よくある主題の不釣り合いのカップルだったり、夫婦げんかだったり、不倫だったり・・・
こういった俗っぽいテーマの作品が得意だったのかもしれない。

Ⅳ 物語る版画家
受難伝、マリア伝である。
受難伝は、ショーンガウアー作品も並べての展示。
解説によれば、ショーンガウアーは主題を絞って緊張感ある場面を描き、メッケネムは後景に前後のストーリーも小さく描いているとのこと。
確かにそうだった。メッケネムはメインの話の他に2つ3つのストーリーも盛り込んでいてストーリー性があって楽しい。
でもやはり、ぐっとこちらに迫ってくるインパクトのある作品ということになるとショーンガウアーに軍配が上がる。
デューラーの木版画、大受難伝から3点展示があったが、これは素晴らしいですね。細かい!
メッケネムの「ユディト」、「ヘロデ王の宮廷の舞踏会」はツッコミどころもあるけれど気にいった。1つの絵の中にいくつもの場面を描きこむというのはメッケネムがよくとった手法なのかも。

Ⅴ 初期銅版画とデザイン、工芸
文字デザインはいいですね。結構凝ってる。
しかし、ここでの最大のツボは、「狩人をあぶる野うさぎたちのオーナメント」。野うさぎたちが狩人を丸焼きに、狩猟犬は煮られてるという・・・
シュール!怖い・・・


ちょっとマニアックですが、版画好きの方なら楽しめるかと。
是非どうぞ。

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