マージョリー・アリンガム『幻の屋敷 キャンピオン氏の事件簿Ⅱ』
本日の本
book-24 『幻の屋敷 キャンピオン氏の事件簿Ⅱ』 マージョリー・アリンガム著 創元推理文庫
STORY:ロンドンの社交クラブで起きた殺人事件。犯人は見えないドアを使って出入りしたとしか思えないが・・・「見えないドア」他11編。
☆☆☆キャンピオン氏の短編集2作目。
キャンピオン氏、細身で青白く、なんとなく頼りなさげな感じがする探偵。どうやら貴族の出らしく育ちのよさがにじみ出る、もしかしてお坊ちゃま探偵?
でも、案外骨のあるところを見せる。
ぴりりとくる短編が多くて、短い中にも緩急あってどれも楽しめた短編集だった。
「綴られた名前」・・・甘すぎるラストだけど、読後感よし。
「魔法の帽子」・・・魔法かと思いきやなんだというオチだけど、ラストはカタルシス。
「幻の屋敷」・・・大叔母に頭の上がらないキャンピオン氏というのが笑えるが、オチには納得。
「見えないドア」・・・非常に短いお話だが、なるほどね。確かに見えない・・・
「極秘書類」・・・コミカルさもある。犯人が憎めない。
「キャンピオン氏の幸運な一日」・・・これまた短いがああなるほど、というお話。
「面子の問題」・・・キャンピオン氏は脇役にまわる。一瞬オチがわからないかったが、なるほど。
「ママは何でも知っている」・・・ジェームズ・ヤッフェを思い出した。
「ある朝、絞首台に」・・・これは犯人がわかっちゃいました。
「奇人横丁の怪事件」・・・一番おもしろくなかった作品。
「聖夜の言葉」・・・第一短編集でも犬の話がでてきたけれど、これもそう。心温まるストーリー。
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