【月-夜を彩る清けき光展】
art-62 【月-夜を彩る清けき光展】 松濤美術館
永青文庫~昼食のあと、松濤美術館へ。
月をテーマにした展覧会に行って参りました。
松濤美術館って、何かをテーマにした展覧会が得意なんでしょうか。
月は多くの作品に描かれていたり、工芸の意匠としても使われているけれど、それだけに注目したりしないので、視点がなかなかに新鮮な展覧会でありました。
【1】名所の月
1-1《瀟湘八景と近江八景》
残念ながら久隅守景の「瀟湘八景図」の展示は終わってしまっていた。
瀟湘八景の影響を受けて描かれた近江八景が2枚。歌麿と広重。
広重のは、ブルーと墨色+ちょっとだけ黄色が使われている。満月なのでもうちょっと明るい絵でもよさそうなところだが、山の影を表しているのだろうか。
1-2《江戸時代の名所》
今年全点見ることができた江戸百景より2枚。
特に「京橋竹がし」は好きな作品。ホイッスラーのノクターンを思い出しますね。
北斎の「雪月花 淀川」。3枚並べてみたいところだけれど、月はこれだけか。ホントは墨田の雪が一番好き。
【文学と月】
2-1《詩歌》
「武蔵野図屏風」が素晴らしい。
左隻には黒い富士山が、右隻には黒い月が。武蔵野の月を歌った俗謡が下敷きとなっているようだが、野原の下の方に月があるという・・・
2-2《物語・随筆と月》
竹取物語、源氏物語、徒然草・・・
はまあよかったのだけど、豊原国周「那智滝祈誓文覚」は怖い。
首が・・・
【3】信仰と月
月といえばうさぎ。
「月天」ではささげもつ月の中にうさぎが!
【月と組む】
4-2《美人と月》
月に美人というのもよくある組み合わせ。
4枚あった中で一番気に行ったのは勝川春章。今年は春章をよく見たなあ。
司馬江漢の絵では月は描かれていないが、女性の着物が月光を浴びて影が出来ていることから月の存在が暗示されているという。
4-3《月と禽獣》
今回気に行った作品の一つは、源長常の「月兎漕舟図」。三日月=船を赤い上着を着たうさぎが漕いでいる絵。ふふっと笑っちゃいますね。
広重の「月下波に千鳥」はブルーが美しい。
4-4《月と山水・草花》
呉春・王潾の「月竹図」が美しい。
其一の「草花図」はオーソドックス。
4-5《月夜の営み》
これまた気に行った作品。富岡鉄斎の「寿老人寒月図」。かなりデフォルメされた寿老人が楽しそうに月を眺める。
【5】月の画師ー芳年
芳年といえば血みどろ絵だけれど、こんな作品もあったのですね。
様々なモチーフと月との組み合わせ。解説つきで全作品見てみたいもの。パッと見、わからないものも多いので。
【6】月の意匠
6-1《武具》
兜や鎧などよりも、柄など小さなものがいいですね。細かい芸術。
田んぼに新月が写ってる風景とか、猿が水に映る月をつかもうとして、溺死してしまう故事を彫ったものなど。単眼鏡持って行けばよかったか。
6-2《工芸品》
蒔絵には月ってよくありますね。
【7】時のあゆみと月
伊勢暦があった。
暦は結構興味があるのだけれど、できれば解説をつけてほしかったなあ。
おもしろい切り口の展覧会でした。
すでに展覧会は終了しています。
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