【拝啓 ルノワール先生展】
art-68 【拝啓 ルノワール先生展】 三菱一号館美術館
クラーナハ展を見たあと、三菱一号館へと移動、【拝啓 ルノワール先生展-梅原龍三郎に息づく師の教え展】を見ました。
梅原が師と仰いだルノワールとの交流に焦点をあてた展覧会です。
第1章 ルノワールとの出会い
梅原の初期の頃の作品は、後年の作品とはまったく違う。
青っぽい色の作品が多いのである。
フランスに渡って下宿先の少女を描いたという「少女アニーン」もまた青色。
それがルノワールと出会って作風が変化していく。
この頃の作品はもっとも印象派に近い。
帰国後はもっと大胆なタッチに変化。印象派の要素を取り入れつつも独自の世界へ。
「黄金の首飾り」などはルノワール的な裸婦像だが、「ナルシス」はちょっとたくましすぎる?ルノワールというよりはセザンヌ的だろうか。
第2章 梅原龍三郎 掌の小品
ルノワールから送られたという「バラ」。
とても小さな作品なのだけど、暖かみのある絵で、これいいなあ。
その他、梅原のコレクションのルノワール作品、「バラの花束」、「樹木」、「カーニュの風景」も小品だけれど素敵な作品。
ルノワールというのと女性の絵のイメージなのだけど、それ以外にもいい作品はあるものだ。
第3章 私蔵品から公的コレクションへ
梅原は自分のコレクションを国立西洋美術館に寄贈したそうで、見たことのある絵がぞろぞろと。知らなかったなあ。
いかにもなルノワールの「横たわる浴女」のみならず、ドガ、ピカソ、ルオーなどなど。趣味がいいです。
ルオーというと汐留とか出光を連想するけれど、この美術館にもあったんですね。
このコレクションの中で一番気に行ったのは、ドガの「ラファエロ〈アテナの学園〉の模写」。
第4章 交友と共鳴 梅原と時代、梅原の時代
さらなるコレクション。
マティス、ピカソ、ブラック、ルオー、シスレー、セザンヌ、モネ。
こうした画家たちとも交流があったらしい。
マティスとかセザンヌ、ルオーなどからは確かに影響を受けているのではないでしょうか。
梅原の作品「芥子」はルノワール的。
第5章 ルノワールの死
この章にはこの展覧会の一番のツボだった「パリスの審判」が並んでいた。
ルノワールの作品は2点。
エルメスが描かれているのと描かれていないのと。ルノワールの趣味全開のパリスの審判なのだが、それ以上にぶっ飛ぶのが梅原が模写したもの。三美神がごつすぎる(笑)。強烈!!
第6章 ルノワールの遺産
梅原が所有していたルノワールのブロンズ像「ヴェールを持つ踊り子」に続いて、このブロンズ像を描きこんだ梅原の作品があった。
強烈な色彩の「薔薇とルノワルのブロンズ」と「艶子夫人像」。この夫人像は始めて見た作品だったけれど、なんかこうほっこりする作品。
晩年の作品は、はっとするような色がおかれていて、空もピンク色だったり・・・結構前衛的である。
最後の部屋にはルノワールの作品が並べられていた。
「マッソーニ夫人」は注文製作らしく、言われないとルノワールとはわからないのだが、あとの作品はまさにルノワール。
この中では「ピクニック」がお気に入り。
ルノワール、梅原龍三郎、どちらが好きな方も楽しめると思います。
是非どうぞ。
美術館前のツリー。
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