【円山応挙-「写生」を超えて-展】
art-64 【円山応挙-「写生」を超えて-展】 根津美術館
久々の根津美術館。
円山応挙展はもうすぐ終わってしまうということで、半日休みをとって美術館巡り。
第一章 応挙画の精華
まずは山水画からはじまり、鳥の絵。
「雪中水禽図」がいい。水鳥たちが非常に精緻に描かれているのがスゴいが、雪の風景で冷たさが伝わってくるかのよう。
しかし、今回一番素晴らしいと思ったのは「藤花図屏風」。幹は大胆に一気に描かれているが、花はとても細やかな筆致。美しい。
藤は藤でも「藤花狗子図」はかわいい!これも好き。応挙といえば、ワタクシにとっては、幽霊よりは狗子図だったりするのである。
「瀑布亀図」もかわいい系。大きな亀の背中にちっちゃな亀がのって滝を眺めている。滝はさらさらっと描かれている。
「雲龍図屏風」はダイナミック。
「筍図」はリアル。
第二章 学習と写生の徴
眼鏡絵というジャンル「四条河原夕涼図」。覗き眼鏡を通して見えた画像を、遠近法を用いて描いたものらしいのだが、実に現代的な絵で、この時代にこんな絵が・・・?応挙ってなんでも描けた人なんですね。若い頃の作品らしいけれど。
「富士図」の富士は、まるで北斎の山下白雨のよう。雷だろうか。これを描いた時、まだ富士山を見たことがなかったという。
今回の収穫の一つは、写生図帖がたくさん見られたこと。
ボタニカルアートのような・・・細かい筆致で、正確に描かれている。全頁見たかったなあ。
第三章 七難七福図巻の世界
もっとも驚いたのがこの図巻。経典に書かれた七難七福を描いた応挙の出世作。
上巻に天災、中巻に人災、下巻に福が描かれているのだが、上中巻が凄まじいのである。人々が逃げまどい、血がどば~、首や腕が転がる・・・血みどろ絵並の怖さ!リアルすぎる・・・
下巻にきてようやく平和な風景が並んでいてホッとしましたね。
こんな絵巻も描いていたことに驚きました。
様々な応挙が見られる展覧会でしたが、明日で終了です。
庭園の様子。
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