【日本におけるキュビズム-ピカソ・インパクト展】
art-8 【日本におけるキュビズム-ピカソ・インパクト展】 埼玉県立近代美術館
埼玉県立近代美術館で開催されている展覧会に行って参りました。
この美術館は2度目。うちからはそんなに遠くはないのだけれど、なかなか行く機会がなく・・・
キュビズムは意外と好きなので行ってみることにした。
第1部 日本におけるキュビズム
日本ではじめてキュビズムを探求したという萬鐵五郎の「もたれて立つ人」からスタート。近代美術館でちょくちょくお目にかかる作品だけど、いいですね。
「自画像」ははじめて見たけれど、これもちゃんとキュビズム!
東郷青児もまたはじめはキュビズムなんですね。よく、損保ジャパンで見ますが。色が特徴的。
古賀春江も1枚。古賀春江というとシュールレアリスムのイメージだけど、やや微妙なキュビズム絵画も描いていたんですね。
今回はじめて知った画家が坂田一男。微妙なキュビズム絵画が多い中、正統派キュビズム。ただし、師匠だったからか、ちょっとレジェが入ってますね。
恩地孝四郎もキュビズム?前衛的ではあるけれどどうかなあ。
今西中通などは、いろいろな角度から見たものを一つの画面に納める・・・というのではなくて、描いていたらキュビズムになったという後付け的なキュビズム。ふーん、こんなのもありか。
黒田重太郎などはセザンヌに近いものがあり、セザンヌはやはりキュビズムのはしりだなと思った次第。
ピカソとブラック
第2部に入る前にピカソとブラックの展示。
遠くから見てもピカソはピカソ。
ピカソはいろいろと画風を変えているけれど、キュビズムはなかなかにおもしろい作品が多い。
ブラックのキュビズムの方がちょっと繊細かな。
第2部
いっとき下火になった日本のキュビズムだが、戦後ピカソ展が開催されたことをきっかけにキュビズムがまた盛り上がることになる。
岡本太郎はまあそうでしょうね。独特な色づかいで非常にインパクトがある。その隣に展示されていたのが吉伸太造の「生きもH」は、これも岡本太郎?と思ったぐらいにテイストがそっくりだった。
鶴岡政男の「夜の群像」は、闇の中にたくさんの人がもつれあっていて、重く暗い作品。
おもしろかったのは、難波田龍起の「湖」。ミロ風なのだけど、その製作過程を見ると、具象から抽象への変化がおもしろい。なんでそう変化するのやら・・・
だんだんキュビズムから離れた作品も多くなってきて、微妙な作品も結構あったのだけど、気にいったのは佐藤多持の水芭蕉の絵。この画家は国分寺の観音寺の次男として生まれた・・・って、よくいく業務スーパーのそばのお寺じゃないですか。一気に親近感。いや、水芭蕉に魅せられて生涯描いたらしいけれど、抽象的でありながら、ちゃんと水芭蕉とわかるのだ。
そして、もう一つ気にいった作品が谷角日沙春の「猫と八仙花」。なんか折紙みたいな猫だねという話をしていたら、折紙が置いてあって折り方を書いた紙があったので、折紙とともにいただいてきました。今度造ってみよう。
日本のキュビズムをまとめて見られたいい機会でした。
残念ながら、展覧会は明日で終了です。
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