【小田野直武と秋田蘭画展】
art-3 【小田野直武と秋田蘭画展】 サントリー美術館
マリー・アントワネット展を見て昼食を食べたあとミッドタウンへと移動、見たのが小田野直武と秋田蘭画展。
小田野直武って誰?
秋田蘭画って何?(秋田藩士が描いたおらんだ風の絵画)
と思うけれど、小田野直武、絶対に見たことあるのです・・・
第1章 蘭画前夜
秋田蘭画の中心的な存在が小田野直武。角館の武士の子として生まれ、幼い頃から絵に秀でていたとのこと。
狩野派の影響や、鈴木春信の影響もあるようだ。
若い頃の作品は模写も含め、極めてオーソドックス。
第2章 『解体新書』の時代~未知との遭遇~
平賀源内が秋田を訪れたことから、直武は源内と出会う。
江戸行きを命じられた直武は源内と再会、源内の持っていた洋書の挿絵等を通じて西洋画を学び、ここに秋田蘭画の一つの基礎ができあがることとなる。
またこの出会いから、直武が描くことになったのが、あの解体新書の挿絵。小田野直武の名を知らずとも、一度は目にしたことがあるのがこの表紙絵。なるほどねぇ。
第3章 大陸からのニューウェーブ~江戸と秋田の南蘋派~
南蘋派は西洋画法とともに秋田蘭画のルーツと言われる。
確かに、構図とかは似ているかも?
実際、直武は源内の知人である宋紫石に技法を学んだらしい。
今回見た紫石の作品の中では、「鷹図」が気にいった。
その他、今回はじめて知ったのが松林山人と佐々木原善。
山人の叭叭鳥、小禽図、かわいい。
第4章 秋田蘭画の軌跡
こちらが、今回の展覧会のメイン。
残念ながら、重要文化財である直武の「不忍池図」は前期のみの展示で、後期に展示されているのは原寸大のレプリカ。
不思議な遠近感と、花の写実性、複数の視点。独特ですねぇ、秋田蘭画。蟻が描きこまれているとのことだったので、じーっと見たけれど、なかなか見つからず。ようやく見つけました。
もう一枚の「不忍池図」があったが、これはわりとオーソドックスな風景画。
手前に花、奥に風景、というのが多く、手前に描かれているのものは極端に大きく、奥は小さく・・・なので何か不思議な雰囲気なんでしょうね。
正直言って、蘭画における人物は微妙で・・・なんか怖い。劇画調というか。やはり風景の方がよい。
秋田藩主の佐竹曙山も蘭画を描いたそう(とても癇癪持ちのお殿様だったとか)。
この方の絵もかなり特徴的。手前に大きく木の幹(樹皮が松かさみたい?)が入り、それもうねっている。ブルーがお好き?直武の作品よりインパクトがあるかも??
角館城代の佐竹義躬の方がおとなしめな画風だった。
第5章 秋田蘭画の行方
直武は突如謹慎を命じられ、秋田に帰った直後、32歳で急死。同じ頃平賀源内も獄死、続いて佐竹曙山も亡くなり、たった7年で秋田蘭画は途絶えてしまう・・・
その後、昭和初期に秋田生まれの日本画家平福百穂に再発見されるまで、埋もれてしまっていた秋田蘭画だが、直武に学んだとされるのが司馬江漢。
この展覧会のポスターをはじめて見た時、司馬江漢?と思ったものだが、やはりこの遠近感は近しいものがある。司馬江漢は油彩画や銅版画を手がけていて、より西洋的な方に傾いていると思うけれど。
秋田蘭画、おもしろいです。
是非どうぞ(1月9日で終了です)。
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