【江戸の絶景 雪月花展】
art-11 【江戸の絶景 雪月花展】 太田記念美術館
先日、ちょっと時間が空いたので、始まったばかりの太田記念美術館の展覧会に行って参りました。
見たことあるのばっかりかな~と思っていたのだけど、そうでもありませんでしたね。
雪、月、花の他、山と水辺、寺社のテーマでの展示。
そのテーマに入る前に、畳のところの展示は、鳥居清長からスタート。確かに月は描かれているけれど、月見図で美人画ですね。優美。
そして、広重(今回、風景画なので、広重の作品が大半を占める)。
日光三滝は始めて見たが、これいいなあ。霧降ノ滝、裏見の滝、華厳の滝の三幅からなるが、どれも特徴を捉えている。よくよく見ると小さく人もいる。
続いての「東都隅田堤・京嵐山大堰川」は美人画。きれい。
「木曽路之山川」、「武陽金沢八勝夜景」、「阿波鳴門之風景」は雪月花をテーマとした三部作。雪山の深々とした様子、月明かり(今や、金沢八景ではこんな景色は見られない)ときて、渦潮が花?花に見立てているんですね。
〈雪〉
広重の「六十余州名所図会 上野 榛名山雪中」
奇岩がおもしろい。
「名所江戸百景 深川洲崎十万」は大変有名な作品だが、どうしても大きな鷲に目がいってしまう。確かにこれは雪の風景なんですね。向こうに筑波山が見える。
同じく名所江戸百景の「びくにはし雪中」。山くじら(猪肉)や十三里の看板が目立つが、ワタクシ的にはお店の前にいる犬がポイント!
〈月〉
めずらしや、国芳があった。「百人一首之内 大江千里」。月暈が描かれている。ちゃんと猫もいる。
広重の「信州更科田毎の月」は田んぼに映る月。こんなに一枚一枚に映る?
「月二拾八景之内 弓張月」は深い谷間、橋の下の弓張り月だが、こんな風に見えることある??滝もおもしろい。
お馴染み「名所江戸百景 京橋竹がし」もあった。これを見るとホイッスラーを思い出す。
〈花〉
お花見の絵はどれも華やか。そして、人々が楽しそう。
広重「江戸近郊八景之内 小金井橋夕照」はうちの近くだが、こういう風景は見られるかなあ。今度歩いてみよう。
今回、滝の絵とともに気にいったが、広重の「江戸近郊名所 萩寺」。淡い色彩のとても美しい絵。水彩のよう。
〈山と水辺〉
北斎が連続して現れた。
「諸国名橋奇覧」。これ好きなシリーズ!
特に山奥の橋がいいですねぇ。今回出ていたのでいうと「足利行道山くものかけはし」。
「琉球八景」のシリーズはちょっとエキゾチック。
広重の六十余州名所図会では「美濃 養老ノ瀧」の斬新なデザイン性がいいが、「讃岐 象頭山遠望」も好き。金比羅が象の山だったのか!
鍬形蕙齋「日本名所の絵」は日本全体の俯瞰図なのだが、なんと細かいこと。細かすぎてわからない(笑)。虫眼鏡が必要だよ。
〈寺社〉
広重の「相州江之嶋弁財天開帳詣本宮岩屋の図」。すごいデフォルメ!こんなじゃないよ、江ノ島(笑)。人が海に落ちそう・・・
「五十三次名所図会 関」はブルーが美しい。東海道五拾三次の関とはずいぶん違うなあ。
風景画好きのワタクシとしてはうれしい展覧会でした。
後期も行こう!
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