【ティツィアーノとヴェネツィア派展】
art-18 【ティツィアーノとヴェネツィア派展】 東京都美術館
おとといの土曜日、ティツィアーノとヴェネツィア派展に行って参りました。
翌日で終了ということで混雑が予想されましたが・・・確かに人はたくさんいたものの、ゆったりとした展示だったので、思ったほどストレスなく見ることができました。
まずは、ヴェネツィアの鳥瞰図からスタート。俯瞰図、鳥瞰図は大好き。ついつい長い時間見てしまう。1500年頃の版画だが、この当時からぎっしりと建物があったのだなあということがわかる。
Ⅰ 1460-1515 もうひとつのルネサンス、ヴェネツィア
ヴェネツィア派は、ヴィネツィアとその周辺地域の美術の流派であるが、特徴としては油彩画(湿気が多いのでフレスコ画が難しい)が多く、色彩を重視する。
フレスコ画が多くデッサン重視のフィレンツェ派とは別の路線である。
このパートでは聖母子像が多かったが、まず目を惹くのはベッリーニの「聖母子(フリッツォーニの聖母)」。ティツィアーノの師である。
真っ青な空を背景に描かれる鮮やかな聖母子像。手すりの向こうに聖母子を配する構図はベッリーニが多く描いているという。
その他印象に残った聖母子像は「聖母子と聖ロクス、聖セバスティアヌス」。なぜこの2人が?と思ったが、ペストに関する守護聖人なのですね。よく見るとロクスは足の傷を指し示している。セバスティアヌスが矢がささっても全然平気そうだ。
早速ティツィアーノが1枚。
「復活のキリスト」。ん?しかし、これずんぐりむっくりで全然キリストに見えない(笑)。復活の旗を持ってはいるけれど、勝利を祝う人みたいな?
Ⅱ 1515-1550 ティツィアーノの時代
さて、いきなりの真打ち登場!
「フローラ」である。ウフィツィでも見ているのだが、肌の美しさ!髪の美しさ!マグネットを買おうと思っていたのだが、売り切れ・・・残念。
フローラに感激したところで、衝撃を受ける絵が。
ヴェッキオの「ユディト」である。こんなふくよかな(控え目な表現)なユディト、他に見たことないよ~ちょっと力強すぎないか(笑)
フランチェスコ・ヴェチェッリオの絵が1枚。この人、ティツィアーノの兄だという。へえ、お兄さんがいたのか。はじめて聞いた。衣服がとてもリアルに細かく描かれている、という印象のみ。
そして、初来日というティツィアーノの「ダナエ」。金の雨・・・だけでなく金貨も降り注ぐ。ちょっと艶めかしいダナエだが、体のねじれがちょっと不思議。
ミケランジェロはこの絵の色彩は素晴らしいけれど、デッサン力が足りないと言ったとか・・・
お隣にはティントレットの「レダと白鳥」が。ユピテルつながりで。
ティントレットは、ティツィアーノとともにヴェネツィアでたくさん作品を見たのだが、ティントレットの方がダイナミックだろうか。
「ダナエ」と「レダと白鳥」どちらが好きかと言われたら、うーん、難しいけれど「ダナエ」かな。
Ⅲ 1550-1581 ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼー巨匠たちの競合
ティツィアーノの「教皇パウルス3世の肖像」は、ビロードの衣装の質感がスゴイのだが、若干すり切れているようにも見え、教皇自身もなんとなくくたびれて描かれていて、これって大丈夫だったのかしら?と思ったのだった。
「マグダラのマリア」は後期の作品で、服を着たバージョン。髪が長くて、髑髏、香油壺が描かれているのでマグダラのマリアだなとわかるけれど、わりとおとなしめ。
ヴェロネーゼと助手の「最後の晩餐」は、イエスと同じ皿に手を伸ばしているのでこれがユダかと思ったが、金貨の入った袋がわかりづらかった。
ヴェロネーゼの「聖家族と聖バルバラ、幼い洗礼者聖ヨハネ」は女性の金髪と金の衣装が美しい。
「カナの婚礼」、またルーヴルで見たいなあ。
点数は少なかったけれど、充実した展覧会でした。
(すでにこの展覧会は昨日で終了しています。)
この日の上野公園の桜。
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