【帰ってきた浮世絵動物園展 後期】
art-27 【帰ってきた浮世絵動物園展 後期】 太田記念美術館
前期も行った浮世絵動物園に後期もギリギリ行ってきました。
まずは畳に上がっての動物肉筆画。
狆もいたけれど、やっぱり猫ですかね。
北尾重政「美人戯猫図」も月岡雪鼎「髪すき図」は猫がじゃれている。ちょっと目つきが怖いけど。
1.動物百変化
落合芳幾「猛虎之写真」は虎と言うが豹が描かれている(豹にしてもちょっと変だが)。北尾重政「虎」も虎?猫みたいだ。
歌川広重「東都飛鳥山の図 王子道きつねのよめ入」は洒落ている!キツネの嫁入りにちゃんと雨が降っていたりして。
最近ちょっと注目している歌川広景は「青物魚軍勢大合戦之図」。
青物の野菜と魚の合戦を描いており、コレラとの戦いを描いているとも言われているが、実際は将軍の跡目争いの諷刺画だった模様。
なんとも奇妙なのが歌川芳虎「家内安全ヲ守 十二支之図」。十二支を合体させて描いているので、顔は鼠、角は牛、体は寅、とさかがついて、前足と後ろ足は別の動物、しっぽはへびそのもの!珍妙な動物ができあがっている。
歌川貞秀の「蛸踊り」も楽しいが、玩具絵という歌川国政「しん板猫のそばや」も好きだなあ。
河鍋暁斎の「天竺渡来大評判 象の戯遊」は、さすが暁斎は実際に象を見ただけあって、肌の感じがリアル。
国芳「蝦蟇手本ひやうきんぐら 三段目・四段目」。タイトルからしておかしいが、なんと由良之助が持っているのは刀じゃなくてナメクジ!着物の柄もナメクジ・・・
2.暮らしの中の動物
鈴木春信「風流五色墨 素丸」の美人画いいですねぇ。と思ったら、こっくりこっくり居眠りしている女性にイタズラをしかけている図なのだった。居眠りの女性のひざに気持ちよさそうに眠る猫。
歌川国芳の山海愛度図会は好きなシリーズだが、今回は「ヲゝいたい」と「えりをぬきたい」。猫が爪をたてていて顔をしかめる美人。
猫といえばこれでしょう!広重の「名所江戸百景 浅草田甫の町詣」。猫の丸い背中がなんともいえずかわいい。
「名所江戸百景」はもう一枚。「四ッ谷内藤新宿」。馬のおしり、下には馬糞という衝撃的な(笑)構図。インパクトあるなあ。
広重の花鳥画「紫陽花に川蝉」、「菊に雉子」。普段あまり花鳥画を見ないけれど、広重、花鳥画もいいなあ。
犬ならば葛飾北斎「狆」。とっても洋風な画。
3.祈りと動物
広重「伊勢参宮宮川渡しの図」は伊勢参りの人でごった返す賑やかな絵だけれど、ポイントは人の代わりにお参りする犬でしょう。
作者不詳「地震のすちやらか」も今回のお気に入りの一枚。鯰が擬人化されている。
4.江戸流アニマルファッション
アニマルファッションも楽しいのだが、好きなのは蝙蝠かなあ。
後期も楽しい展覧会でした。
(この展覧会は本日で終了です。)
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