キャンディス・フォックス『邂逅』
本日の本
book-13 『邂逅』 キャンディス・フォックス著 創元推理文庫
STORY:シドニーのマリーナで海底に沈められた大量の箱が発見され、死体が見つけられる。シドニー州都警察に赴任してきたフランクは女性刑事エデンとコンビを組んで捜査にあたるが・・・
☆☆☆シリーズ1作目。
前々から読もうと思っていたのだけど、2作目が出たということで慌てて読んでみた。
オーストラリアのミステリを読むのは多分はじめて。
これはこれは!
かなりの変化球ですね。
主人公の一人フランクははっきり言ってダメ男。
はじめは、なんだこいつと思って全然感情移入できず。
その後、意外にいい面もあるかもと思いまあ許せる奴かというところまでいったのだけど・・・
いいのか、そんなんでというラストでびっくり。
びっくりはこれだけじゃなくて、もう一人の主人公エデンの生い立ちがなかなかにスゴイのだ。
幼い頃から過酷な運命を背負って生きてきたエデン。
少々いびつな人間になるのは致し方ないのかなとも思うけれど、さらに歪んでいるのがエデンの兄エリック。
これがもう不愉快極まりない人物で(それもまた仕方ないのか)、登場するたびに胸騒ぎがするという・・・
正直、メインの事件(死体遺棄事件が恐ろしい事件へと発展・・・犯人はモンスター)より、エリックとエデンの兄妹の物語の方が強烈。どうなるかと思いきや・・・
ダークだなあ。
エデンの養父ハデスもキャラがたっていて、次作にも出るらしいから楽しみだ。
この本を読んで、久々にキャシー・マロリーシリーズを読んでみたくなりました。どちらも氷のヒロインなので。
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