【アルチンボルド展】
art-36 【アルチンボルド展】 国立西洋美術館
ボストン美術館の至宝展を見て、昼食をはさんで西洋美術館へ。
アルチンボルド展である。
アルチンボルドといえば、だまし絵、寄せ絵。
しょっちゅう見る気もするけれど、アルチンボルド単体の展覧会というのははじめてらしい。
Ⅰ アルチンボルドとミラノ
まずは「四季」。晩年の作品。四季折々の植物からなる像だが、老婆?に見える。
続いて下の階におりて、自画像。
1枚目はフツーの自画像だったが、2枚目の「紙の自画像(紙の男)」は、なんと紙でできた肖像画。自画像まで!遠くから見るとフツーに肖像画なんだけど・・・
ダ・ヴィンチの素描が2枚。アルチンボルドはダ・ヴィンチの影響を受けているようだ。イギリス王室のコレクションなんですね。
Ⅱ ハプスブルク宮廷
ミラノに生まれたアルチンボルドはハプスプルク宮廷の宮廷画家となり、装飾、舞台美術の仕事などもしていたとのことで、装飾デザイン集の展示があった。
そして、いよいよ、四季の連作及び四大元素の連作。
これらがすべて揃うとは!
春と大気、夏と火、秋と大地、冬と水が対になっており、それぞれ向かい合って展示されている。
四季は若者から老人へとなっていたんですね。
好みからいうと、夏(野菜)と秋(果物とワイン樽)だろうか。
四大元素の方は、鳥、海の生きもの、動物が集められているが、よくこんないろいろな生物を描けたなと。宮廷画家だったので、あらゆるものを観察する機会があった、ということらしいのだが。
しかし、大気(鳥)、大地(動物)は近くでよくよく見るとちょっと不気味(笑)。
いやしかし、今後こんな展示はないだろうなあ。
Ⅲ 自然描写
この時期、自然を描くということがはじまっており、博物学的な画が多く残されている。アルチンボルドもそうした図譜の制作に関わったらしい。
今回展示されていた作品はアルチンボルドではなかったが、動植物が好きだったら楽しめますね。
Ⅳ 自然の奇跡
多毛症の家族を描いた絵。
これも観察の対象?
怖い物みたさではやったのかも?
Ⅴ 寄せ絵
アルチンボルドの追随者による寄せ絵。
でもやっぱりアルチンボルドの絵の方が出来がいいような?
Ⅵ 職業絵とカリカチュアの誕生
「ソムリエ」は、ワインに関するもの、「司書」は本で構成される。
「法律家」はむしられた鳥や魚などで顔が作られているがなぜ?どうやらモデルになった人にそっくりということで、ディスられてる模様。
ソムリエや司書もディスってるのかも?
この3枚、おもしろい。
Ⅶ 上下絵から静物画へ
「庭師/野菜」と「コック/肉」。逆さまにすると違って見える・・・というのは、国芳なんかでもありますね。
「庭師/野菜」の方が出来がいいかなあ。「コック/肉」は少々無理があるような?
まあしかし、よく思いつくよ・・・
フィジーノの「金属製の皿に載ったモモとブドウの葉」はイタリアで最も古く描かれた静物画とか。
アルチンボルドの影響を受けてるってことでしょうか。
これはおもしろい展覧会です。
是非どうぞ。
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