【ボストン美術館の至宝展】
art-35 【ボストン美術館の至宝展】 東京都美術館
夏休みお出かけ3日目は上野の美術館×2。
まずは都美術館で開催されているボストン美術館の至宝展へ。
ボストン美術館展はしばしばやっている気がするが、何度行っても違う作品が見られる!何せ50万点以上も所蔵しているんですから。
今回は、
Ⅰ異国を旅したボストニアンたちとして、1、2、3
Ⅱ「グランド・ツアー」ヨーロッパ美術を集めたボストニアンたちとして4
Ⅲアメリカン・ドリーム 自国野美術を収集するボストニアンたちとして5
Ⅳ同時代の美術へ 未来に向かう美術館として6、7
という構成。
1 古代エジプト美術
ボストン美術館はハーバード大と共同で発掘調査を行って、たくさんの発掘品を持ち帰っている。その数4万点以上とか。
印象に残ったのは、「高官クウエンラーの書記像」。あの書記座像を連想する。
「メロン形ビーズの装飾品」は、細長いメロンの形でメロン色。大ぶりなネックレス。
「ツタンカーメン王頭部」はよく見るツタンカーメンより年をとってるような?
2 中国美術
なんといっても、陳容の「九龍図巻」がすばらしい。ダイナミックな9匹の龍。躍動感が溢れる。
皇帝徽宗の「五色鸚鵡図巻」。鮮やかな色の鸚鵡が美しい。
3 日本美術
フェノロサやビゲローが集めた日本美術コレクションもなかなかのもの。その数1万点以上とか。
まずは尾形乾山(画は兄光琳)のお皿が渋くてよい。
そして、今回の目玉の一つ、英一蝶の「涅槃図」が楽しい。実に51種類の動物が描かれているとのことで、ちょっと変な動物もいたりするが、いやはやよく描いたなあ。かなり小さい動物もいる。すずめとか蝙蝠とか蝶々とか。
曽我蕭白もまた楽しい。少々漫画チックなところもあるが、大胆な筆致。「風仙図屏風」は強い風が吹いている。
歌麿の「三味線を弾く美人画」は繊細。
司馬江漢「秋景芦雁図」は不思議な遠近感。
あのモースが寄贈したという「銹絵鳰形香合」、かわいい!
4 フランス絵画
ミレーが4点。
中には、たった3点しかないという静物画の一つが。
しかし、好みなのは「編み物の稽古」。
ブーダンはヴェネツィアを描いた絵だったが、さす空のブーダン、広い空が広がる。
モネも4点。
「くぼ地のヒナゲシ畑、ジヴェルニー近郊」はあの有名なオルセーの「アルジャントゥイユのひなげし」から人物をのぞいた絵という感じ。
「ルーアンの大聖堂、正面」もきていた。これは昼間かな。是非全部並べて見ていたいものだ。
「睡蓮」はまだ崩れていない睡蓮。
静物画が5点並ぶ。
クールベやラトゥール、シスレーの静物画はかなり正統派だが、やっぱりセザンヌかなあ。
ゴッホはルーラン夫妻を描いた絵が2枚。2枚並ぶと結構強烈。ごつごつした感じ、奥さんの絵の背景など。
5 アメリカ絵画
知らない画家も多いのだが、サージェントの人物画はよい。
案外気にいったのはオキーフの花の絵。
オキーフといえば動物の骨だけれど、画面いっぱいの花もよく描いていて、迫力。
6 版画・写真
ホッパーとホーマーの版画、なかなかいい。
ホッパーの荒削りな線。
ホーマーはどちらかというと水彩画の方が有名かと思うが、海の風景を描いた版画、暗いけれどドラマチック。
7 現代美術
ウォーホルはまあ見たことあるような作品だったが、強烈なのはホックニー「ギャロビー・ヒル」。このすごい色彩はなんでしょう!
一番おもしろかったのは映像作品、サム・テイラー=ジョンソンの「静物」。
野菜や果物が腐っていく様子を撮っているのだが、これはセザンヌの静物画の実践?
広範囲にわたって見られる展覧会。
是非どうぞ。
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