【レオナルド×ミケランジェロ展】
art-39 【レオナルド×ミケランジェロ展】 三菱一号館美術館
渋谷から移動、この日の3つめの展覧会は、レオナルド・ダ・ビヴィンチとミケランジェロの展覧会。それも素描に焦点を当てた展覧会である。
序章:レオナルドとミケランジェローそして素描の力
レオナルドの自画像(ファクシミリ版)とミケランジェロの肖像画からスタート。2人ともとっても気むずかしそう(笑)
そして、いきなり、今回のハイライトが。
ダ・ヴィンチの「少女の頭部/岩窟の聖母の天使のための習作」とミケランジェロの「レダと白鳥の頭部のための習作」。
両者とも、習作とは思えない完成度で、甲乙つけがたいが、ミケランジェロの方が完成度が高い気がする。
レダの方はモデルが男性とのことで、確かに言われてみると男性的な骨格のようだ。
Ⅰ:顔貌表現
さすがレオナルド!きっちり比率を計算して正確に描写した素描があった。
「老人の頭部」、これもそうなのかな。頑固そうな老人。
ミケランジェロの素描は、斜め上や斜め下から描いたものが多かった。おおっ、システィーナ礼拝堂天井画のための素描ですね。
Ⅱ:絵画と彫刻:パラゴーネ
レオナルドは絵画、ミケランジェロは彫刻。
レオナルドは絵画の優位性を主張したが、ミケランジェロはどちらがすぐれているかの議論はやめようと言ったという。
とはいえ、ミケランジェロは彫刻家的な視点から絵を描くこともあったのだろう。
「背を向けた男性裸体像」の習作は筋肉の描き方が彫刻的だ。
Ⅲ:人体表現
2人とも実際に解剖して人体の構造を研究している。
筋肉、骨格など、さすが!なのである。
しかし、ミケランジェロはさらにマニエリスムの方向へと向かっていき、最後の審判など、体のねじれはすごい。
Ⅳ:馬と建築
馬に関心が高かったというレオナルドはたくさんの馬の素描を残している。
筋肉を描くということに関心があったのかもしれない。
Ⅴ:レダと白鳥
共にオリジナル作品は現存していない「レダと白鳥」だが、今回は追随者による作品が残されている。
どちらが好みかというとミケランジェロかなあ。
レオナルドの作品は、白鳥が黒鳥のように黒かったり、2つの卵から双子が2組産まれたところも描かれていたりして、ちょっと不気味だ。
Ⅵ:手稿と手紙
レオナルドの手稿、たくさん残されているが、これ、見るの楽しみですね~
アイディアの宝庫。レオナルドのあふれ出るアイディアは、実現不可能なものもあるけれど、今ならできそうなものもあったり。やはり天才だ。
ミケランジェロの書簡は、詩もあったりとか、繊細な一面も垣間見える。
終章:肖像画
レオナルドの「月桂樹の冠をかぶった男性の横顔」はややデフォルメした感じもある。
最後、1階に降りると、ミケランジェロの未完の作品(後年別の彫刻家の手で完成された)「十字架を持つキリスト」の展示があった(撮影可)。どこまでミケランジェロの手によるものかわからないが、よく持ってきたなあと。
2人の違いを是非とも!
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