【生誕120年東郷青児展】
art-42 【生誕120年東郷青児展】 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館
朝倉彫塑館に行ったのち、損保ジャパンで東郷青児展を見て参りました。
実は、ワタクシ、東郷青児はあまり得意ではなく・・・
しかし、この展覧会は初期~晩年まで見られるし、先日の日曜美術館でもやっていて、ちょっとだけ興味を持ったので行ってみることに。
第1章 内的生の燃焼 1915~1928年 Flame of the Inner Life
この第1章が一番興味深かったですね。
東郷青児が作風を確立する前に修業時代。
ヨーロッパに渡って、キュビズム、未来派などの影響を大きく受けての作品。
これが意外といいんですね。
作風は全然定まっていないのだけど、ワタクシ、こういう作品の方が好き。
キュビズム風あり、もうちょっと後のピカソ風あり、カンディンスキー風あり・・・
それでもこの時代からちょっぴり東郷青児風な作品も見受けられた。
第2章 恋とモダニズム 1928~1930年代前半 Love and Modernism
時代が進むとモダニズム・・・というかシュールな絵に。
この美術館のロゴマークにもなっている「超現実派の散歩」。この題名もよくわからないけれど、まさにシュルレアリズム。古賀春江などと親和性があるような・・・
どうでもいいことだけれど、この作品も片方の手だけ手袋をし、片方だけ靴を履いているのだが、他の作品でも片方だけソックスだかストッキングをはいていて・・・これってどういう意味なんだろう?
そして、この展覧会で一番気にいったのが、「月に吠える」。単純化されたシュールな犬と月。これ、マグネットがあったら買ったんだけどなあ。
第3章 泰西名画と美人画 1930年代後半~1944年 Western Style Masterpieces and Portraits of Beauties
ほぼ東郷青児の完成形である絵が並ぶ。
その中で興味深かったのは、藤田嗣治との競作。
京都の丸物百貨店というデパートの壁画だったのだが、それぞれ非常によく特徴が出ているのである。
フジタのを見ればああやっぱりフジタと思うし、東郷青児はその特徴が現れつつあるし。
ちなみに「海山の幸」という作品では、フジタの手も入っているらしいのだが、やはり海のものをフジタが描いたんでしょうね。壁画もフジタは「海の幸」、東郷は「山の幸」だったので。
第4章 復興の華 1945~1950年代 Flower of the Recovery
東郷青児ワールド全開!
白い髪、ベタッとした塗り、様式化された女性。
これがちょっと苦手なんですね。マリー・ローランサンがあまり得意でないのと同じ意味で。
でも、雑誌や本の装丁なんかにはあうのかなとは思いましたね。
デザイン的なのであうと思う。
この章で一番よいと思ったのは、晩年の作品「若い日の思い出」。柔らかな雰囲気がよいです。
東郷青児の作風の変遷がよくわかる展覧会。
是非どうぞ。
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