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2017/11/05

【表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち展】

art-43 【表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち展】 パナソニック汐留ミュージアム

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金曜日祝日、怖い絵展に行きたいなあと思っていたのだけど、どうやら激混みらしいと聞いてあっさりあきらめ、こちらを。

第1章 カンディンスキーとルオーの交差点
カンディンスキーとルオーに接点が?というのがまず疑問だった。
同世代の画家ではあるけれど、作風はまったく違うし・・・
解説を読むと、お互いが活動の拠点としていた展覧会に作品を出品しあったことがあり、カンディンスキーがルオーが館長を務めていたモロー美術館を訪れたことがあった・・・というくらいらしい。
積極的な関わりがあったというわけでないんですね。
というわけでお互いの作品に影響を及ぼし合ったという関係ではないのでしょう。
まず第1章はそれぞれの初期の作品。
この美術館所蔵のものは何度か見ていているものが多いが、他の美術館所蔵のものははじめてのものがほとんど。
ルオーでは、「町外れ」が気にいった。寂しい情景。
カンディンスキーの初期の作品はあまり見たことがなかったかもしれない。
「水門」はベタッとした風景画で、こんな絵も描いていたのか!と。
「商人たちの到着」はロシア風な光景が広がるが、よくよく見ると色の置き方がおもしろい。これはのちのカンディンスキーへの布石かも?
この2枚いいですねぇ。
いずれも宮城県美術館蔵。カンディンスキーコレクションは36点を数えるとのこと。

第2章 色の冒険者たちの共鳴
カンディンスキー、クレー、その他ドイツ表現主義の画家の作品+ルオー。
やはりカンディンスキーとクレー、ドイツ表現主義は親和性はあるけれど、それとルオーは違いますね・・・
クレーの初期の頃の作品から。これまた宮城県美術館蔵。クレーも30点以上持っているらしい。
風刺画のような?のちのクレーからは想像できない作風である。
ヘッケル、ペヒシュタイン、カンペンドンクといったドイツ表現主義の画家たちの作品は強烈な印象。プリミティヴアートのような、ペヒシュタインなどはゴーギャン風でもあり・・・
色が強烈なのである。
カンディンスキーはかなり抽象的になってきているが、一時期パートナーだったミュンターの作品も抽象的。題名も「抽象的コンポジション」。色味はどっちかというとクレーっぽいような?
今まで見たことがなかったルオーが見られたのはうれしい。
「フランスの田舎」や「月明かりモンタナの思い出」など、フツーに風景画のように思えて、宗教的な情景を描いているようにも見える。

第3章 カンディンスキー、クレー、ルオー —それぞれの飛翔
3人が最終的にどのような境地にたどりついたか・・・
クレー、カンディンスキーはすべて宮城県美術館蔵のもの。
クレー
やはりワタクシの好きなクレーはこの章にある作品。
一番好きなのは「橋の傍らの三軒の家」、次点は「グラジオラスの静物」。
雑誌の表紙にありそうな「綱渡り師」もいいですね。
クレーの色遣いが好き。
カンディンスキー
ほぼ題名が素描なのでわかりづらいけれど(笑)
音楽のようなと言われたような、弾むような絵画。見ていて楽しくなる作品たち。
ルオー
ルオーといえば、やはり太い輪郭線!という作品群。
はじめて見た作品もありました。

カンディンスキーとルオー、やはり接点はないように思えたけれど、無理やりこじつければ、両者とも色へのこだわりはあったということだろうか?

いやしかし、宮城県美術館のコレクションが見られてよかったです。
是非どうぞ。
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