【川合玉堂 -四季・人々・自然-展】
art-45 【川合玉堂 -四季・人々・自然-展】 山種美術館
没後60年という川合玉堂の展覧会に行って参りました。
ワタクシ、玉堂は大好きな日本画家の一人なので楽しみにしていました・・・
第1章 若き日の玉堂
「鵜飼」からスタート。
岐阜県で育った玉堂は鵜飼になじみがあり、繰り返し描いているがその一枚。
15~17歳くらいの時の写生画巻が出ていたが、うまいこと!
観察力に優れていたというのもあるだろうけれど、緻密なデッサンで感心しきり。
猿がかわいいこと。なんでも、観察するために小猿を飼っていたことがあるらしい。
この章でもっとも気に入ったのは、「夏雨五位鷺図」。ななめに降る雨の表現がすばらしい。
青梅市立美術館蔵の「赤壁」もすばらしい。
第2章 玉堂とめぐる日本の原風景
赤壁に続く屏風絵の「紅白梅」も見事。琳派の流れをくむ作品だが、シジュウカラが何羽か描かれているところがかわいらしい。
別バージョンの「鵜飼」。この美術館所蔵の作品。
最近、山種では1作品のみ撮影オッケーということが多いが、今回はこれ。しばしば見る作品ですね。
しばしば見るという点では「春風春水 」もだが、これまた好んで描いた風景、渡し船の風景である。春の柔らかい光が感じられる作品。
これははじめてかもしれない「春渓遊猿」も気に入った。猿がいいんですよ!
「渓山四時図」もいい。玉堂の好きなモチーフがたくさん描かれていて、これぞ玉堂。右隻から左隻がトンネルでつながる感じもおもしろい。
「早乙女」や「遠雷麦秋」など、晩年移り住んだ奥多摩の自然を描いた作品もたくさんあった。なんかこういう風景見てると落ち着くんですね。
第3章 素顔の玉堂
この章はバラエティに富んでいた。
らしくないのは「氷上(スケート)」。こんな作品も描いていたんですねぇ。
人物のイメージはあまりないもので・・・
といって別に不得意というわけでもないようで、次男の奥さんを描いた作品などきれいな美人画風である。
横山大観、川端龍子との合同展の出品作品である「竹」、「竹(東風)」は鳥が描かれているのがポイント。
「荒波」はとても神奈川県の沖とは思えない・・・荒々しい。元々は戦意高揚を目的とする展覧会への出品作品だったという。
「虎」「熊」はちょっとかわいらしいし、「猫」は飼い猫なんでしょう。ささっと描かれてようだが、ほんとによく特徴を捉えている。
若い頃から晩年までの絵が網羅されている展覧会。
是非どうぞ。
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