マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー『バルコニーの男』
本日の本
book-26 『バルコニーの男』 マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー著 角川文庫
STORY:ストックホルム中央の公園で女児の死体が見つかり、その2日後にもまた少女が殺害される。マルティン・ベックたちは捜査にあたるが、手がかりとなるのは三歳の男の子の話と強盗犯の記憶のみで、行き詰まってしまう。
☆☆☆マルティン・ベックシリーズ全10作の第3作。
今年はこのシリーズに出会えたのが幸せでした・・・
タイトル通りバルコニーにいる男の描写から始まる本作。
いつもにましてざわざわとする幕開け。
ほどなく、凄惨きわまりない連続少女殺人事件がおき・・・
マルティン・ベック(警部に昇進していた!)たちは昼夜問わずかけずり回るもほとんど手がかりなく、ベックたちも憔悴しきって解決が絶望視された時・・・
これまでの作品と同様に、一気に事件は解決へと向かっていく。
ここがうまいところなのだけど、あらゆることが伏線になっていたことがわかってうならされる。あれもこれもつながっていたのかと。
若干、ご都合主義的な部分もあるけれど、やはりおもしろいなあ。
実際の事件(1960年頃の連続少女殺人事件)を元に書かれた作品ということを聞くと、なおさらに怖いお話だった。
いろいろなキャラが出てくるシリーズだけれど、ワタクシ的にはベック以外だと、驚異的な記憶力を持つ(この作品でも犯人解決の一助となる)メランダーがいいな。
早く次が読みたいです。
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