【ルドルフ2世の驚異の世界展】
art-7 【ルドルフ2世の驚異の世界展】 Bunkamuraザ・ミュージアム
神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の驚異の世界展に行って参りました。
プロローグ ルドルフ2世とプラハ
ルドルフ2世は政治的には無能だった皇帝だが、芸術のみならず、自然科学、天文学などにも興味をもった稀代の収集家だった。
展覧会は肖像画からスタートしたが、うーんやっぱり!ハプスブルク家らしく、あごが長い(笑)。血は争えないものですねぇ。
結局、生涯結婚することなく、晩年は精神に異常をきたし、最後は仲の悪かった弟マティアスによって皇帝の座を追われている。
第1章 拡大される世界
バベルの塔を描いた作品が2点あった。いずれもブリューゲルの影響を受けたことがみてとれる絵である。
「バベルの塔の建設」を描いたファルケンボルフの絵は他に3枚。
以前この美術館で開催された【風景画の誕生展】でも見ているが、ブリューゲル風の風景画である。
宮廷に出入りしていたという、天文学者ケプラー、プラーエなどに関する資料の展示もあった。
第2章 収集される世界
お抱え画家だったというサーフェリーの絵画の展示。
サーフェリーといえば動物の絵。
「動物に音楽を奏でるオルフェウス」はまるでノアの箱舟のようにいろいろな動物たちがつがいで集まっていて楽しいし、「鳥の風景」もいいですね。
ん?これは??というのは「2頭の馬と馬丁たち」。馬のたてがみが長すぎる!1頭などもう地面につきそうなほど・・・
ルドルフ2世は、たくさんの動物を集めて飼育していたらしいが、こんな馬がいたのだろうか・・・
サーフェリー原画の素描術の光シリーズからの動物画も楽しい。
サーフェリーは花の静物画も得意としたということで、同じく花の静物画をたくさん描いたヤン・ブリューゲルの作品とともに並んでいた。
これは甲乙つけがたいなあ。
第3章 変容する世界
なんといってもアルチンボルド!
「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像」である。ウェルトゥムヌスはローマ神話の樹木と果実の神様ということで、果物、野菜、植物63種で描かれた肖像画である。よくできているけれど、皇帝は怒らなかったのか・・・
追随者による3作品も展示があったけれど、やはりレベルがねぇ。アルチンボルドには全然及ばないできなのだった。
うれしかったのは、バッサーノの月暦画の「9月」がきていたこと。以前の【風景画の誕生展】では9枚がきていて、プラハに2枚(あと一枚は行方不明)があるとのことだった。もう1枚、10月も見たかったなあ・・・
エピローグ 驚異の部屋
奇妙なもの、美しいもの、珍しいものをコレクションしたルドルフ2世は、宮殿にプライベートなミュージアムを作りあげた。
目の保養になる展示品ばかりだが、一番ツボだったのは、脚が鳥の足にはっている杯だろうか。
最後、フィリップ・ハースが作成した立体「四季」シリーズは撮影可能です。
是非どうぞ。
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