ボストン・テラン『その犬の歩むところ』
本日の本
book-4 『その犬の歩むところ』 ボストン・テラン著 文春文庫
STORY:ギヴという名の犬。閉じ込められていた檻を食い破り、傷だらけで歩いていたところをイラク戦争の帰還兵に助けられる。ギヴはいったいどこからきたのか・・・
☆☆☆☆いい物語だった。
語り手は、イラク戦争で負傷し、死に場所を求めて旅をしていたディーン。
とはいっても、冒頭で出てきたあとは、中頃に至るまでディーンは登場しない。
物語はギヴの父親があるモーテルへとたどりつくところから始まる。
そしてギヴが生まれ、飼い主のアンナとの平穏な暮らしが続くかと思いきや・・・
ある出来事をきっかけに運命が大きく変わる。
いろいろな人との出逢いと別れ、スリリングな出来事あり、悲しい出来事あり、事件あり・・・
ギヴの運命もドラマチックだけれど、ギヴと関わる人たちの運命もまた様々。
戦争、9.11、虐待、愛する人との出逢いと別れ、嫉妬、ハリケーン、兄弟の葛藤・・・
様々な人間ドラマを浮き彫りにしながらストーリーは進んでいくのだけれど、要所要所で泣けるシーンが用意されていて、うるうるもの。
ラストは感動の嵐でしたね。
それも、ギヴという存在があってこそ。
いや、ホントいいお話でした。
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