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2018/05/11

【浮世絵ねこの世界展】

art-17 【浮世絵ねこの世界展】 八王子夢美術館

1805111
はじめての美術館。
今までなかなか行く機会がなかった美術館だが、大好きな猫の浮世絵がきているし、ちょうどコストコに行くのでついでにと思って行ってみた展覧会である。

この美術館、決して広いわけではないけれど、うまく区画を作って展示していた。約150点もの展示!
それほど混んではいなかったのでゆったりとみることができてうれしい。

第1章 猫のプロフィール~ありのままの猫~
迫力ある猫からスタート。
小林清親の「猫と提灯」は何度か見ているけれど、獲物を狙う猫の目つきがするどい。ネズミはもう観念した様子。
「暁斎落画 猫と鼠」。こんなに鼠が固まっていると、猫も狙いにくそうな?
これはきっとあるだろうと思ったのが「名所江戸百景 浅草田園酉の町詣」。この猫の後ろ姿(丸い)がかわいいのなんの。名所江戸百景の中でも一番好きな部類。

第2章 お茶目な猫たち~猫の戯画-国芳作品を中心に~
猫といったらやっぱり国芳!いやあ楽しい・・・
にゃろめみたいな「荷宝蔵壁のむだ書」や当字はよく見るけれど、楽しい。
「流行猫の戯」シリーズは歌舞伎のパロディ的作品。ワタクシは歌舞伎に全然詳しくはないのだけれど、これだったら見てもいいかも!登場人物?も猫なのだけど、着物の柄、周囲の小物は貝殻だったり、葉っぱがアジの開きだったりで、細部にわたって描きこまれている。
「心学稚絵得 猫と鼠」。このシリーズはこどもにわかりやすく学問をとくというもの。猫とともに酒を飲み、ほろ酔い気分になっている鼠の運命は・・・油断大敵!

第3章 国芳と猫と美人たち~浮世絵師・国芳描く自画像、猫、美人~
まだまだ続く国芳。
国芳はよく自分を描きこんでいるのだけれど、何かに隠れていたり、後ろ姿だったり。決して顔は見えないように描いているところがシャイですね。
「山海愛度図会」は好きなシリーズ。猫が登場するのはその中の3点。
「えりをぬきたい」はお化粧する女性の後ろでじゃれあう猫たち。
「おおいたい」は猫にとびつかれた女性が痛そうに顔をしかめる。猫、爪を出してるんですね。
「はやくきめたい」は早く結婚したいと思う女性と、猫箱になってる猫。香箱座りというそうで、女性の嫁入り道具とつながる。
背後には各地の名産品が描かれているシリーズである。
「妙でんす十六利勘」は右上に描かれた十六羅漢とそのパロディの女性が楽しいシリーズ。猫が登場するのは2枚。
「降那損者」では猫は女性の半天の中に入ろうとしていて、「朝寝者損者」では女性にすり寄っている猫。ワタクシとしては決して朝寝坊は損とは思いませんけれど(笑)。
「七婦久人 寿老人」は寿老人を婦人に見立てた絵。寿老人は巻物をつけた杖を持ち、鹿をひきつれているのだが、婦人は長い手紙を持ち、袋をかぶった猫が鹿なんでしょうね。

第4章 猫は美人が好き~美人画の中の猫~
美人画というと国貞。
「新板風流相生尽 卯 春 竹にすずめ」。コマ絵が竹と雀。女性の着物から猫が顔を出すという図。猫に美人は似合いますね。
少し時代は進んで、豊原国周、揚州周延、月岡芳年など。
明治になっての浮世絵は色が鮮やかすぎて正直微妙なんですね。
でも二四時間制がとられてからの、それにちなんだシリーズは結構好き。
国周の「見立昼夜 廿四時之内」シリーズ、芳年の「新柳二十四時」シリーズなど。
芳年のこのシリーズはわりと好き。
美人画シリーズの「風俗三十二相」も~さう(そう)で統一されておもしろい。うるささうの猫はちょっと怖いけれど。

第5章 猫は子どもの友だち~猫と子どもは仲よし~
猫と子どもは似合うけれど、仲よしかどうかは・・・
子どもにむぎゅっとされたり、引っ張られたり、どちらかというと猫は迷惑そうな表情だったりする。
この中で気に入ったのは、歌川国貞(三代目豊国)の「江戸名所百人美女 四ッ谷」(このシリーズは全部見てみたいもの)、鈴木春信の「鼠をねらう猫」。猫というよりは春信の美人画が好きだというのもあるのだが。

第6章 楽しくユカイな猫の国~猫のおもちゃ絵~
幕末から明治にかけて子どものために描かれた浮世絵で、切ったり組み立てたり、まだ着せ替え人形のようにして遊ぶものもあった。
擬人化された猫たちが描かれていて楽しい玩具。
歌川国芳の弟子たちが多く描いていて、温泉や宴会など、まるで人間!

第7章 化け猫ものがたり~妖怪になった怖い猫~
猫は猫でも化け猫。
国芳は「東海道五十三対 岡部」と「五十三駅 岡崎」である。五十三次関連いろいろあるんですねぇ。歌舞伎や狂言をよく知っていたらもっと楽しめるのですが・・・
化け猫といってもかわいい・・・というかおもしろいのが弟子の芳藤「五拾三次之内猫之怪」。はめ絵で化け猫が猫9匹(多分)で描かれている。
月岡芳年「豪傑奇術競」。芳年はこういう絵の方がいいなあ。鮮やかな色彩がこうした絵にはあう。

予想以上に充実していて楽しめました。
猫好きの方は是非どうぞ。

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