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2018/06/07

ボストン・テラン『音もなく少女は』

本日の本

音もなく少女は (文春文庫)
book-7 『音もなく少女は』  ボストン・テラン著  文春文庫

STORY:夫の暴力にひたすら耐えるクラリッサ。生まれつき耳が聞こえない娘のイヴ。その二人と知り合った壮絶な過去を持つ女性フラン。3人の運命は。

☆☆☆『その犬の歩むところ』に続いてのボストン・テラン。

この本のことはこのミス2位にも選ばれたので、発売当初から知ってはいたのだが・・・
なんか読むのが辛そうで今まで読まずにいた。
が、同じ作者の『その犬の歩むところ』がとてもよかったので、ならばこれにもチャレンジしてみるか!ということに。

思った通り、辛いお話だった。
3人の女性の物語なのだが、みな虐げられていて、絶望的な状況にある。
なんの希望もない人生だったはずが、3人が出会ってよい方向へと転じる。
クラリッサとイヴはフランとの出会いで新しい世界が開け、クラリッサは強くなり、イヴは言葉を知ることにより、才能が開花していく。
一方、過去の辛い出来事で厭世的になっていたフランは、クラリッサとの友情、イヴの母親代わりになることで、少しずつ人生の喜びを取り戻していく。

しかし、なんということか、運命は過酷でさらなる苦しみ、悲しみが3人を襲う・・・
読んでいるこちらが絶望しそうなのだけれど、何度でも立ち上がろうとするヒロインたち。
最後の最後まで辛い状況が続くし、最後このあとどうなるのだろうとも思ってしまうけれど、一筋の光が見えるラスト。

決して屈することのなかった女性たちの物語(それにしても、出てくる男性がクズばかり・・・)。
やはり読んでよかったなと思う小説だった。

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