【ミケランジェロと理想の身体展】
art-18 【ミケランジェロと理想の身体展】 国立西洋美術館
この日(日曜日)、ホントは上野の森美術館でやっている「エッシャー展」を見に行こうと出かけたのだが・・・
なんと2時間待ち!こんな暑い中とてもそれだけの時間待つ気力はなく、あっさり予定変更。
朝、日曜美術館で見たばかりの【ミケランジェロと理想の身体展】に行くことにした。
ミケランジェロの彫刻2点を中心として、ギリシャ・ローマ彫刻からルネサンス期の彫刻、そしてミケランジェロ後まで70点。
Ⅰ 人間の時代-美の規範、古代からルネサンスへ
1 子どもと青年の美
古代の彫刻から。
「プットーとガチョウ」むぎゅっとガチョウを押さえつける子どもがかわいい。ぷくぷくな感じが・・・
対して、「蛇を絞め殺す幼児ヘラクレス」は、ヘラクレスがおじさん(笑)
。そして、なぜか髪が螺髪。インパクトありすぎな彫刻だ。
ま、よくキリストがおじさんすぎることはありますけどね。
スケッジャの「スザンナ伝」は、処刑されそうになるスザンナと、その後ダニエルの告発により長老たちが処刑される場面を描いている。だいたい、水浴の場面が描かれることが多いのだが、この場面が描かれることもなくはないですね。
「アキレウスとケイロン」はポンペイ郊外のエルコラーノの邸宅にあった壁画とのこと。ポンペイ同様、火山の噴火で埋没してるんですね。かなりいい状態で残っている。
2 顔の完成
バッカスの頭部が2点。
あまりバッカスっぽくない。フツーの青年に見える。
3 アスリートと戦士
アスリート、戦士なので筋骨隆々だったりするが。一番気に入ったのは小さな「レスラー」。動きがよくとらえられている。
4神々と英雄
アスリートと戦士のコーナーにあった「アメルングの運動選手」もコントラポストという片足に重心をかけた形だったが、「ヘラクレス」もそう。バランスがいいんですね、この形。
そのほか、ヘラクレスは何点もあって、好まれた題材だったのだなあと思う。
ここにもまたエルコラーノの壁画があって素晴らしい。もっと現存しているならば他のも見てみたい。
Ⅱ ミケランジェロと男性美の理想
今回のメイン、ミケランジェロ作品2点である。
1つは「若き洗礼者ヨハネ」。ミケランジェロ20歳の時の作品。
スペイン内戦で破壊され、残された14のかけら(40%あまり)から近年復元されたもの。焦げてしまった頭が痛々しい。
残されていた部分と新しく創った部分は明らかに違い、やはりというべきかミケランジェロの部分が素晴らしい。細かな彫りが違うんですね。
もう1つは「ダヴィデ=アポロ」。
ダヴィデなのかアポロなのか、未完のため謎の作品。
中性的なような気もするし、たくましさもあるような気もするし。角度によって見え方が違う。
顔だちからダヴィデかなとはじめは思ったのだけど、腕をのばしている様子は、アポロが矢筒から矢を取り出しているようにも見える。
この2点の関連として、ヨハネ、ダヴィデ、アポロをテーマにした作品が何点もあった。
ベネデット・ダ・ロヴェッツアーノの「若き洗礼者ヨハネ」は、かつてはミケランジェロ作と考えられていた作品。優美な彫刻だ。
ヴィンチェンツォ・デ・ロッシ「ラオコーン」はこの展覧会で唯一撮影可能な作品。
1506年、古代彫刻の傑作ラオコーンが発見された際、ミケランジェロも立ち会ったという。本物はヴァチカン美術館にあるが、こちらはコピー作品で、オリジナルとはだいぶ違う。
本物の方が、蛇に絞め殺されるラオコーンと二人の息子の表情が見事に表現されていると思う。
Ⅲ 伝説上のミケランジェロ
ミケランジェロの肖像画、メダルなど。
だいたい偏屈そうに描かれてるな(笑)。
世界に約40点しか現存しないミケランジェロの大理石彫刻のうち2点がきていますので、是非どうぞ。
ショップで買った、公式キャラ、ミケにゃんの手ぬぐい。
« サントリー 贅沢LAGER 琥珀のキレ | トップページ | 上野:梅蘭 上野店 »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 【特別展はにわ】(2024.11.25)
- 神代植物公園3(2024.11.19)
- 【カナレットとヴェネツィアの輝き展】(2024.11.04)
- 【英一蝶展】(2024.10.14)
- 【田中一村展】(2024.09.23)
コメント