【「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ展】
art-25 【「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ展】 出光美術館
出光美術館で開催されている【「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ展】に行って参りました。
江戸は地方都市のひとつにすぎなかったのが、家康の移封と開府をきっかけにめざましく発展し、多くの絵が描かれるようになったとのこと。
そんな江戸を題材とした絵画+αの展覧会。
第1章 江戸名所図の誕生―〈横から目線〉でとらえた都市の姿
まずは今回の一番の目玉、「江戸名所図屏風」から。
右隻は寛永寺、浅草、湯島、神田、元吉原、両国、日本橋など、左隻は江戸城天守閣、京橋、新橋、増上寺、芝浦など。この景色の中になんと2000人以上もの人が描きこまれているらしい(さすがに数えられませんね)。
踊る人、喧嘩する人、軽業の舞台、歌舞伎、相撲、潮干狩り、お風呂や、刀鍛冶などなどあらゆる人物が描かれていて、これは飽きませんねぇ。空を飛ぼうとしてる人たち(?)なども。
動物も、馬、犬、鳥(不忍池に白鳥まで)の他に、ワタクシは見つけられなかったが猫もいるらしい。
置く場所がないから買わなかったが、図録でじっくり見たいところだった。
「江戸名所遊楽図屏風」。細身美術館所蔵の作品で、やはりここにも歌舞伎が描かれる他、人形芝居?なども。浅草寺がちょっとせせこましい。
「江戸風俗図屏風」。ちょっと季節がよくわからないのだけど、隅田川の船遊びがあるかと思えば、獅子舞なんかも描かれていたりする。
英一蝶の「四季日待図巻」。流刑先の三宅島で描かれたものという。華やかな江戸の暮らしを思い出しながら描いたとのこと。日待ちとは、旧暦1,5,9月の特定日に夜を徹してこもり明かす行事で、季節感のある絵だ。
第2章 都市景観図の先例―洛中洛外図と花洛の歳時
出光の「洛中洛外図屏風」を見るのは何度目か。
右隻は伏見城、鴨川、東寺、清水寺、誓願時、上加茂神社など。
左隻は鞍馬寺、歌舞伎小屋、二条城、桂川、西本願寺など。
江戸名所図に比べたら、人物が少ない!江戸住まいのワタクシとしてはなじみという点でも江戸名所図の方に軍配をあげるなあ。
「祇園祭礼図屏風」。祇園の山鉾行列がなかなか豪華だが、見物する人で賑わっていて活気がある。
「阿国歌舞伎図屏風」。歌舞伎の始まりといわれる北野天満宮での阿国歌舞伎が描かれる。
「歌舞伎・花鳥図屏風」は表が歌舞伎、裏が花鳥図。
第3章 〈悪所〉への近接―遊興空間の演出
広い範囲を眺望する絵画から、局所的な絵画へ。描かれる対象は「悪所」と言われた遊里と芝居町だったという。
菱川師宣「江戸風俗図巻」。海老屋という扇子やさんの店先からはじまって、花見、川遊び、輪踊り。楽しそう。
宮川長春「江戸風俗図巻」。隅田川の川遊びを描く。きらびやかな作品。
奥村政信「中村座歌舞伎芝居図屏風」。歌舞伎を楽しむ観客たちの姿が描かれているのだが、売り子さんが売っている四角いものはいったい何なのだろう?
第4章 都市のなかの美人
風景画と美人画が結びついた作品たち。浮世絵にはこのジャンル多いですよね。
鍬形蕙斎「隅田川眺望図」。意外と、筑波山が描かれていることが多いけれど、昔は江戸からよく見えたんでしょうね。
鳥文斎栄之「乗合舟図」。僧侶、武士、猿回し、遊女といろいろな人物が乗りあう船。ゆりかもめもいた!
蹄斎北馬「傾城舟遊図」。不忍池で船遊びする遊女たち。蓮が見える。遠くに見えるのが寛永寺。
歌川豊広「真崎稲荷参詣図」。ここにも筑波山が!女性たちの着物が美しい。
歌川国久「隅田川舟遊・雪見酒宴図屏風」。たくさんの人が描かれている中で、二階で本を読む女性が気になりました・・・
こうしたくくりの展覧会も楽しいですね。
是非どうぞ。
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