『怪盗ニック全仕事5』
本日の本
book-13 『怪盗ニック全仕事5』 エドワード・D・ホック著 創元推理文庫
STORY:価値のないものだけを盗む怪盗ニック。マネキンのかつら、ビンゴ・カード、サンタのひげなど、価値のないものを盗もうとするが一筋縄ではいかなくて・・・
☆☆☆怪盗ニックものの短編集5冊目。
さすがのニックも年をとって、髪に白いものが混じるようになったとか。
しかし、泥棒の腕は衰え知らずで、難易度の高い盗みに挑戦!
今回も不思議な依頼ばかり。
前に何度か登場している、白の女王ことサンドラ(商売敵だが、今はうまく棲み分けている)が今回は2回も登場するし、以前からニックを追うウェストン警部補も登場したりして楽しい。
そして、ホックの別キャラ、レオポルド警部も登場。レオポルド警部が出る短編集も読みたいなあ。でも今は入手困難みたいで・・・
今回パートナーのグロリアも結構活躍していて、ニックの偽物が現れた時には、自ら依頼者になって偽物を盗むようニックに依頼したりしている。この話もおもしろかったが、一番よかったのは「錆(さ)びた金属栞(しおり)を盗め」。なんと、実在のミステリー専門書店(オーナーはオットー・ペンズラー)が舞台というのにニヤニヤしてしまったが、幕切れはニックものとしてはめずらしくしんみりとしたお話になっている。
メインは盗みの話・・・どうやって盗むかの話だけれど、必ずなぜこんな価値のないものの盗みを依頼したかという謎があって、探偵モノとしても楽しめるのがいいですね。
この短編集もあと1冊で終わりだそうで、残念。
« 男山 純米生貯蔵 | トップページ | 新宿御苑:氣華 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- クリス・マクジョージ『名探偵の密室』 (2023.09.06)
- 青柳碧人『むかしむかしあるところに、死体がありました』 (2023.08.30)
- エリー・グリフィス『見知らぬ人』(2023.08.24)
- C・A・ラーマー『マーダー・ミステリ・ブッククラブ』(2023.07.07)
- ボブ・ラングレー『北壁の死闘』(2023.07.05)
コメント