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2018/10/15

【横山華山展】

art-29 【横山華山展】 東京ステーションギャラリー

1810151
江戸後期、京都で活躍した人気絵師、横山華山。かつては有名だったのもかかわらず、今では忘れられてしまった絵師にスポットをあてた展覧会に行って参りました。
そんなに混んでないかなと思いきや・・・
先週の美の巨人たちで取り上げられたからか、かなりの混雑。
いやでも行ってよかった!と思った展覧会でした。

1 蕭白を学ぶ -華山の出発点-
華山は西陣織の横山家の分家の養子となっていて、横山家が曽我蕭白のパトロンだったこともあり、蕭白の大きな影響を受けている。
若い頃の絵は蕭白のような絵。
四季山水図はまさに蕭白に倣った絵であって、荒々しく、奇妙にデフォルメされた風景が描かれる。
「蝦蟇仙人図」は蕭白と華山が並んで展示されていて、一瞬間違い探しかと思ったが・・・やはり違うんですね。華山の方が少し柔らかかなと。

2 人物 -ユーモラスな表現-
「唐子図屏風」、「唐子遊戯図屏風」が楽しい。楽しく遊ぶ唐子たち。いたずらっこっぽい表情がいいですね。
張飛、関羽、鍾馗図などは迫力があるし、寿老人、大黒天、布袋などはとってもユーモラス。

3 花鳥 -多彩なアニマルランド-
動物の画もいい。
虎はやはり?というべきか、猫よりだけど(笑)、毛を描くタッチが結構リアル。
「松竹梅・鶴龍虎図」は松竹梅と鶴龍虎をあわせた画だが、おもしろい組み合わせだ。
「蝦蟇図」は酒の席でこわれてささっと描いたものだそうだが、ふくらんだおなかが楽しい。
一番気に入ったのは「雪中烏図」。白と黒のコントラスト、静かな風景がよい。

4 風俗 -人々の共感-
華山といえば風俗画だそうで・・・
部屋に入ってパッと目に入ってきたのが「紅花屏風」(14日までの展示でした)。
紅花の種まきから収穫、出荷までが描かれているのだけれど、実に220人あまりの人が描かれていて、みんな表情豊か。働く人、くつろぐ人、遊ぶ子供、喧嘩する人たち、おやつを食べる人・・・これは楽しい絵だ。
楽しそうな人たちといえば、「花見図」も。花そっちのけで飲み食いを楽しむ人たち。今も昔も同じですね。
華山の弟子、小澤華嶽の「ちょうちょう踊図屏風」がまたおもしろいこと。なぜかみんな仮装して踊っているんだけど、なんでこの仮装?と思ってしまう。昆虫やらかたつむりやら天狗や魚?かなりシュール。
「天明火災絵巻」は逃げ惑う人々の姿が真に迫る感じ。

5 描かれた祇園祭 -《祇園祭礼図巻》の世界-
上下巻30メートルにわたる祇園祭を描いた図巻。これをなんと全編公開!
よく描いたな~
なんと細かいことか。構図もよく考えられている。
背の高い山、車を大胆にカットしたり、斜め上から描いたり。
これは見る価値あり!

6 山水 -華山と旅する名所-
最後は山水画。
富士山を描いた2枚がよかったですね。
1枚は「清見潟富士図」。今は東海道線で分断されているお寺、清見寺の向こうに見える富士山。
もう1枚は「富士山図」。吉原から見た富士山だそうだが、ちょっと背が高すぎでほそいかな?いずれも、「紅花屏風」の取材のために東海道を旅した際に描かれたようだ。

こんな絵師がいたとは驚き・・・
そして、なぜ忘れられてしまったのか不思議・・・

是非どうぞ!

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