【ピエール・ボナール展】
art-32 【ピエール・ボナール展】 国立新美術館
国立新美術館ではしご。
ピエール・ボナール展と東山魁夷展で、チケットを同時購入すると割引きに。
東山魁夷展の方がかなり混んでいそうだったので、まずはボナール展から。
1.日本かぶれのナビ
まずはナビ派時代の作品から。
浮世絵の影響大の作品がいろいろと。ぺたっとした平面的な作品が多いんですね。
「庭の女性たち」。4枚セットの作品で、屏風のよう。これは日本の影響大。
「黄昏(クロッケーの試合)」。人物・・・特に格子柄の服を着ている人物が背景に溶け込んでいる。手前の人物たち(家族)が暗く沈んでいる奥で輪になって踊る女性たちがいて、不思議な雰囲気。
「格子柄のブラウス」。わりと最近見ているのだけど、これまた平面的。お皿のお料理をとろうとしている猫がポイント。
「白い猫」。今回一番気に入った作品。びよーんとのびた猫がユーモラス。
「ランプの下の昼食」。これ昼食??というくらいに暗い。象徴主義的作品。
「ブルジョワ家庭の午後 あるいは テラス一家」。ボナールの別荘を描いた作品。家族友人、動物たちがくつろいでいる・・・のだろうけれど、みんな無表情で寂しい。
2.ナビ派時代のグラフィック・アート
ポスターや挿絵などのグラフィック・アート
。
「フランス=シャンパーニュ」。はじけるシャンパン!これは好きなポスター。
ユビュおやじの挿絵もあった。ユビュといえばルオーだけれど、ボナールのもユーモアがあってよい。
3.スナップショット
ボナールは写真をたくさん撮っていたらしい。妻マルトのヌード写真もあって、これがのちのマルトの絵につながるんですね。
4.近代の水の精(ナーイアス)たち
裸婦を描いた作品の数々。モデルはマルトが多い模様。
マルトはお風好きだったとのことで、たくさん描いている。
「浴盤にしゃがむ裸婦」。これはまるでドガ。
「化粧室 あるいは バラ色の化粧室」。これが一番好きかな。明るい色調がいい。
「青い手袋をはめた裸婦」。手袋?あかすりかな?
5.室内と静物 「芸術作品―時間の静止」
ボナールというと第1章の作品とともに、ワタクシ的にはこの章の室内画のイメージなのだ。
「食卓の母と二人の子ども」。猫が食べ物を狙っている・・・
「猫と女性 あるいは 餌をねだる猫」。この猫も目をそらしてはいるけれど、食べ物を狙っているのかも?
「桟敷席」。芝居に飽きているのか、夫婦げんかなのか?ただならぬ雰囲気。
「テーブルの上の林檎の皿」。なぜこんな隅にお皿が置かれているかが気になる。
「テーブルの片隅」。ちょっとセザンヌ的というか、テーブルも椅子もいびつ。
6.ノルマンディーやその他の風景
風景画のイメージはあまりなかったけれど、なかなかいい。
大きな絵「ボート遊び」がどーんと目に入ってくるが、これ構図がおもしろいなあ。手前にボートがあって、しかも切れてるという・・・
「テラスの犬」も好き。
7.終わりなき夏
風景画が続く。南仏を描いているということもあるけれど、色彩が明るいこと!
「ル・カネの眺望」がきれいだなあ。
「水の戯れ あるいは 旅」と「歓び」は依頼主の食堂に飾るために描かれたとのことだが、風景画というよりはちょっと幻想的な絵になっている。
絶筆となった「花咲くアーモンドの木」。最後は甥に手伝ってもらって描いたということだが、力がみなぎる絵である。
ボナールをこんなにまとまって見たのは久々でした。
まとめて見るといいですね。
是非どうぞ。
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