【フィリップス・コレクション展】
art-36 【フィリップス・コレクション展】 三菱一号館美術館
今年最後の展覧会へ。
三菱一号館美術館の【フィリップス・コレクション展】である。
東京駅はすごい人、人、人。
美術館はそれほどではなくて、ストレスなく見ることができました。
アメリカのコレクター、ダンカン・フィリップスと妻マージョリーが収集したコレクションを私邸を美術館として公開しているそうで、4000点以上を所蔵しているとのこと。
今回はフィリップスが購入した順に作品を並べるというめずらしい展示の仕方でした。
1:1910年代後半から1920年代
モネの「ヴェトゥイユへの道」からスタート。モネらしい明るい風景画。
クールベの「地中海」はまあ地中海だからそうなんだろうけど、クールベらしい荒々しさがない。
シスレー「ルーヴシエンヌの雪」。シスレーの雪景色とはめずらしい。
シャルダン「プラムを盛った鉢と桃、水差し」。静かな静物画。シャルダンいいなあ。
ボナール「犬を抱く女」。ボナール展も最近見たところだけれど、フィリップスさんのボナールコレクションもなかなか。暖かみのある色づかい。構図がおもしろい
コンスタブル「スタウア河畔にて」。これ?コンスタブル??
2:1928年の蒐集
セザンヌ「自画像」。セザンヌの自画像はいろいろと見ているが、これはまたかなり気むずかしいそうな・・・
マネ「スペイン舞踊」。この色遣いはマネですね。
3:1930年代
ゴヤ「聖ペテロの悔恨」。これはいいなあ。晩年の作品なので暗いのだけど、重厚。
フィリップスはピカソよりブラックが好きだったとかで、たくさん作品を所有していたらしい。今回も何枚もきていたが・・・がちがちなキュビズム作品ではなくて、形がわかる作品だった。「レモンとナプキン」も「ブドウとクラリネットのある静物」も。
ボナールがいい。「棕櫚の木」の色彩も好きだけど、「開かれた窓」の女性とハイタッチする黒猫がかわゆい!!
パウル・クレー「養樹園」。象形文字のようなものが描かれているが、なんといってもこの色彩がいい。
ゴッホの「アルルの公園の入り口」はゴーギャンの到着を待つ頃の作品ということで、明るい。
4:1940年前後の蒐集
セザンヌ「ザクロと洋梨のあるショウガ壺」。やっぱりセザンヌの静物画はいいなあ。
マティス「サン=ミシェル河岸のアトリエ」。パリということもあるのか色調は抑えめだ。
ドガ「稽古する踊り子」。描きなおした腕などがそのまま残っているのがおもしろい。
スーティン「嵐の後の下校」。劇的。
デュフィ「画家のアトリエ」。今回もっとも気に入った作品。色がいいなあ。弾む感じ。
カンディンスキーは大好きな画家だが、「連続」が音符のようで楽しい。
5:第二次世界大戦後1
アングル「水浴の女(小)」。やっぱりアングルといえば、この角度の女性裸婦ですね。
ブラック「フィロデンドロン」、「ウォッシュスタンド」。キュビズム後のブラックだ。「驟雨」はめずらしや風景画。雨の表現がおもしろい。
ゴーガン「ハム」。もっとも印象に残った作品。大きなハムの塊がどーん。インパクトはあるがゴーガンとは言われないとわからない。
スーティン「雉」。静物画としては暗いなあ。
モランディ「静物」。あいかわらずの瓶、壺・・・どれも似てるんだけど、ついつい見ちゃう。
6:ドライヤー・コレクションの受け入れと晩年の蒐集
ドライヤー(前衛芸術家を支援した蒐集家)コレクション。
青騎士の作品いいなあ。
ハインリヒ・カンペンドンク「村の大通り」、フランツ・マルク「森の中の鹿 Ⅰ」 。
カンディンスキー「白い縁のある絵のための下絵Ⅰ」の完成品ってあるのかな?
7:ダンカン・フィリップスの遺志
フィリップスが亡くなったあとのコレクション。
ブラック「鳥」。デザイン的でよろしい。
ピカソが何枚か。ドラ・マールが穏やかに描かれている「緑の帽子をかぶった女」が目立つ。
ジャコメッティはやっぱりほそい(笑)
ドガ「リハーサル室での踊りの稽古」。柔らかな日差しが美しい。
素晴らしいコレクションでした。
是非どうぞ。
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