ルース・レンデル『街への鍵』
本日の本
book-19 『街への鍵』 ルース・レンデル著 ハヤカワ・ポケットミステリ
STORY:白血病患者に骨髄を提供したことが恋人の怒りを買ったメアリは、
彼と別れ、提供相手に会うが、次第にその男性に惹かれていく。ちょうどその頃、路上生活者を狙った連続殺人が起きていて・・・
☆☆☆久々のルース・レンデル。
ひところ、ルース・レンデルは本当によく読んだ。多分ほとんどは読んでいると思う。
それが、いつしか翻訳が途絶えて・・・
レンデルが亡くなってすぐに発売になったのがこの本。
といっても、1996年の作品なので、20年以上前の作品なんですね。
ウェクスフォード警部シリーズでないノンシリーズは、特にざわざわ・・というかぞくぞくする作品、後味が悪いのについつい読み進めてしまう作品が多いのだけれど、この本はまあマイルドな方だろう。
いやしかし、とてもおもしろかった。
はじめは、何ら関係ない出来事が語られ・・・それが次第に収束していくというおもしろさ。
骨髄移植をした女性と、その暴力的なストーカー的な元恋人。
女性が骨髄移植をした相手の男性。
元エリートだが、今は路上生活者となっている男性。
異常な性癖を持った元主人からアパートを贈られたが、犬の散歩を引き受けて金稼ぎをする元執事。
浮浪者を狙う殺人鬼。
はじめはほそい糸でつながっているに過ぎないこれらの登場人物が次第に太い線でつながり、最後にぴたりとおさまる。
なるほどね、ともう一回パラパラとページをめくってしまいましたね。
もちろん、ちゃんとフェアに語られているのだけど(1つの物語だけちょっと宙ぶらりんだったが)、気づかなかったなあ。
いやーやっぱりうまいです、レンデルは。
まだまだたくさん未訳の作品が残っているので、是非とも翻訳してほしいな。
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