【河鍋暁斎 その手に描けぬものなし展】
art-10 【河鍋暁斎 その手に描けぬものなし展】 サントリー美術館
連休2日目に河鍋暁斎の展覧会に行って参りました。
暁斎は最近人気が高まっており、ちょくちょく見ているような気がしますね。
こちらの展覧会は、狩野派絵師」としての活動と古画学習に焦点をあてた展覧会。
河鍋暁斎記念美術館から多数作品がきていて、昨年夏、暑い中行ったことを思い出しました・・・
第1章 暁斎、ここにあり!
「枯木寒鴉図」からスタート。ささっと描かれたようにも見えるが、味わい深い作品。
打って変わって鮮やかな色彩の「花鳥図」。雉に巻き付く蛇を狙う鷹・・・蛇に巻き付かれた雉が平然とした顔で歩いていく・・・シュール。
第2章 狩野派絵師として
暁斎というと国芳の弟子と思っていたが、国芳の素行を心配した父により狩野派の絵師に再入門している。
そう言われてみると、狩野派の影響は大きいのですね。
「羅漢に蛇図」。蛇が龍に近いような・・・
「豊干禅師と寒山拾得図」。のびのびと描かれている。
「虎図」。迫力あるけれど、かわいい虎。
「枇杷猿、瀧白猿」。森祖仙的。
第3章 古画に学ぶ
古画に学んだ暁斎。模写がたくさん。
「放屁合戦絵巻」。ちょっと下品だと思うけれど笑ってしまう。
「九相図」。グロテスク。死体が骨となるまでを描く。川で拾った生首を描くくらいですからね。
そして大好きな蛙の絵。暁斎も蛙が好きで数々描いている。
「蛙の蛇退治」、「蛙の学校」、「蛙の人力車と郵便夫」、いずれも戯画で大変ユーモラス。
「鯉魚遊泳図」。鯉のいろいろな姿。生き生きとしている。
「竹に仔犬」。子犬を暁斎が描いたとのことだが、円山応挙風と思ったら、それにならったらしい。かわいい。
第4章 戯れを描く、戯れに描く
暁斎の戯画は大好き。
「鷹に追われる風神図」。なんて情けない風神!
「月次風俗画図」。今回は1月~4月までの展示。なるほどね。全部見たいな。
「貧乏神図」。結界が築かれて外に出られない情けない貧乏神。表装まではぎれで作ってあり手がこんでいる。
「大仏と助六」。構図が大胆。
「新板かげづくし(天狗の踊り)」。影絵なのがおもしろい。
「蒙古賊船退治之図」、「風流蛙大合戦之図」の風刺!
第5章 聖俗/美醜の境界線
暁斎といえば、地獄太夫も有名ですね。
「地獄太夫と一休」。一休さんが踊り、骸骨も踊る。思わず笑ってしまう絵。「閻魔と地獄太夫」。太夫の着物は地獄の炎かと思いきや、珊瑚だったんですね。
「幽霊図」2枚。消え入りそうな骸骨のような幽霊。ぞくっとくる。
「処刑場跡描絵羽織」。羽織のこの絵はどうかと思うなあ。血まみれ、死体・・・怖すぎる。
第6章 珠玉の名品
パトロンの注文に応じて描いた小さな作品。
小さい画面に細かく描かれ、彩色も美しい。
手元にあったら何度でも楽しめそう。
第7章 暁斎をめぐるネットワーク
「野見宿禰と当麻蹶速図」。湯島天満宮にある額絵。迫力あり。
「龍虎鷹山山水図衝立」。これまた湯島天満宮にあるもの。裏は息子の暁雲と娘の暁翠が描いてる。息子もいたのははじめて知った。
非常に西洋的なのは「『漂流奇譚西洋劇』パリス劇場表掛りの場」。これ、前にガスミュージアムで見ましたね。
「達磨図」。迷いのない筆。
暁斎絵日記のほんの一部の展示があったけれど、これ全部見てみたいなあ。売っていたけれど、高すぎてさすがに買えない・・・ずっと絵日記をつけていたのはスゴい。
とても充実した展覧会でした。細かく展示替えがあって悩ましいのですが、後期にも行きたいですね。
是非どうぞ。
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