【小原古邨展】
art-8 【小原古邨展】 太田記念美術館
小原古邨という絵師の名前は昨年秋まで知らなかった。
日曜美術館で茅ヶ崎市美術館で開催中の展覧会の紹介を見て、ビビッときて行きたいと思ったものの、結局行けず・・・
今回、太田記念美術館で開催されると聞いて行くことにした(茅ヶ崎のが巡回してきたわけではありません)。
海外では有名で人気の絵師だそうだが、日本ではあまり知られていなかった小原古邨。まるで水彩画のような木版画、とてもきれいでした。
花鳥画の版画なのだが、題材として多く描かれていたのが、まずは雀。
「蓮に雀」は、雀が蓮の茎にちょんと乗ったせいで、蓮の上にたまっていた水が下にこぼれる様子が描かれる。一瞬の切り取り方がうまい。
その他、集団で描かれている雀たち、チュンチュンと鳴く様子がかわいらしい。
古邨はまた烏も好きなのだろうか。描いているのはハシボソガラスとのことで、わりとスリムな烏が多く・・・くちばしは確かにほそいけれど、ちょっと長いかも?でも目がかわいらしくて、烏も案外かわいいかもと思ったり・・・
桜に烏はいい組み合わせ(色的に)と思ったが、夜の烏もなかなかだ。
月夜といえば、やはり木菟!月が下の方に描かれていて、こんな月あるかな?と思ったが、そういえば日曜美術館で、水に映った月ではないかと言っていた。なるほど。木菟のくりっとした目がいいなあ。
そうそう、月夜には虎も似合いますね。
雨には鷺。五位鷺もいいですね。
後年の作品で、非常にデザイン的な鷺もあった。
雨の表現がいろいろで・・・広重のように、ダブルの雨もあったり、ごくごくほそい線で表現されたり。柔らかな雨の表現がきれい。
ひよこもかわいいのだけれど、鵞鳥がお気に入り!
鳥以外では・・・
まず、チラシになっている、「踊る狐」。楽しいな、この絵。
「猪」はちょっとデフォルメされている気はするが、猛々しい感じ。
「鹿」はシルエットで美しい。
猿は何枚かあったけれど、「桜吹雪に子猿」が好き。毛並みが柔らかそう。
風景画もわずかながらあり。
小林清親風かな。
晩年はカラーがビビッドに。好みとしては初期の頃の淡い感じの画だが、「金魚鉢に猫」は、目つき鋭く金魚を狙う猫がリアルでよろしい。
前後期全点入れ替えということで、後期も行かねば!
是非どうぞ。
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 【特別展はにわ】(2024.11.25)
- 神代植物公園3(2024.11.19)
- 【カナレットとヴェネツィアの輝き展】(2024.11.04)
- 【英一蝶展】(2024.10.14)
- 【田中一村展】(2024.09.23)
コメント