【奇想の系譜展】
art-12 【奇想の系譜展】 東京都美術館
土曜日、仕事を終えて行ったのが奇想の系譜展。
これは是非とも見たかった展覧会。
混んでるかなと行ってみると・・・
チケット売り場でかなり待ち、ロッカーがなかなか空かず・・・
しかし入場待ちはなかったのだけれど、やっぱり中はかなりの混雑でした。
美術史家・辻惟雄の本『奇想の系譜』に取り上げられた6人+2人を取り上げた展覧会。
幻想の博物誌:伊藤若冲(1716-1800)
まずは大人気の若冲から。
「象と鯨図屏風」。何度か見ているけれど、象が不思議。耳がゆで卵(笑)。
若冲といえば、鶏。というわけでたくさんの鶏たちが!
中では「鶏図押絵貼屏風が素晴らしい。12の雄鶏と雌鶏、時々ひよこ。かわいい。雄鶏は様々なポーズで躍動感あり。
ワタクシ、若冲でいえば、カラフルな作品より墨画の方が好きで、さらさらっと描かれた「雨中の竹図」、ユーモラスな「蟾蛙河豚相撲図」なんかが好き。
「虎図」の虎、かわいすぎ(笑)
醒めたグロテスク:曽我蕭白(1730-1781)
奇想という言葉が一番似合うのは蕭白だと思う。
グロテスク、不気味。なんかざわざわする作品たち。色もすごいのだけど。
「雪山童子図」。お釈迦様の前世がこんなだとは!なんだろう、このアンバランスさ。
よくよく見ると、もっと変なのが「群仙図屏風」。不気味(ほめ言葉)。
「美人図」。狂女らしいのだが、どう見ても美人とは・・・
京のエンターテイナー:長沢芦雪(1754-1799)
前から芦雪は好きだったけれど、今回一番のツボだったのが芦雪。
なんといっても「白象黒牛図屏風」。白い象の上には黒いカラス、黒い牛の下には白い子犬。この対比がいいのだけれど、子犬のかわいいこと!ついついマグネットとチャームを買ってしまった。
「群猿図襖」。いろいろな猿のいろいろな表情。よく観察してるなあ。
「猿猴弄柿図」。の猿のとぼけた表情がおもしろい。
「猛虎図」。虎の頭、細すぎないだろうか・・・
「方寸五百羅漢図」。1寸四方の中に羅漢がたくさん描かれている・・・のだが、肉眼ではほぼ見えず、単眼鏡で見てもおぼろげに見えるだけ。よく描いたなあ。
「なめくじ図」。なめくじがはった跡がくねくねと。さらっと描いているんだろうけれど、さすが。
「龍図襖」。躍動感のある龍。飛び出してきそうだ。
執拗なドラマ:岩佐又兵衛(1578-1650)
岩佐又兵衛というと、浮世絵の祖。山種で見た「官女観菊図」(今回もきていた)のイメージなのだけど、絵巻がすごいんですね。
「山中常盤物語絵巻」。残忍な場面もしっかり描かれていて、見たいような見たくないような・・・
この絵巻にせよ、「浄瑠璃物語絵巻」にせよ、金がふんだんに使われていて、豪華だ。
狩野派きっての知性派:狩野山雪(1590-1651)
京都の狩野派、狩野山雪。
オーソドックスな作風でこれも奇想なの?と思ったけれど、ありました!
「梅花遊禽図襖」。この枝が奇妙。どういう曲がり方なんだ!そして、梅の花と紅葉した蔦という春と秋が同居しているのである。
「龍虎図屏風」。龍は墨絵、虎は彩色。どちらもかわいらしい顔なのだが。
「韃靼人狩猟・打毬図屏風」。細かく見るとおもしろさがじわじわ。狩りも不思議だけれど、この遊びはなんだろう?クリケット?
奇想の起爆剤:白隠慧鶴(1685-1768)
白隠もいいですねぇ。さらっと描いているんだけど大胆。見ていて楽しい。
なんといっても達磨図で、赤い達磨図はなかなかに強烈。
「蛤蜊観音図」。観音様がかわゆい。
「鐘馗鬼味噌図」。これまたとってもユーモラス。
白穏展は何度も行っているけれど、何度行っても見飽きない。
江戸琳派の鬼才:鈴木其一(1796-1858)
琳派の其一。数年前に其一展に行って感激したところだが・・・
アメリカから初里帰りの作品が「百鳥百獣図」。よくも描いたり!ホントに百匹、百鳥いるかは数えてみなかったけれど(笑)、なんとも賑やかで楽しい。
麒麟までいる!
其一、実にビビッド!派手すぎるくらいに・・・
「藤花図」などはおとなしめな方。
幕末浮世絵七変化:歌川国芳(1797-1861)
最後は国芳。
浮世絵は何度も見ている作品なので、さらさらっと見る。
「其まま地口 猫飼好五十三疋」。最近東海道を歩いているので楽しい。
奉納画が2点。浅草寺のと成田山のと。これらははじめて。どちらも迫力あり。
個性的な奇想絵画の数々。楽しめました。
是非どうぞ。
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