【ウィーン・モダン展】
art-17 【ウィーン・モダン展】 国立新美術館
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国立新美術館でウィーン・モダン展。
オーストリアとの外交樹立150周年ということでウィーン世紀末芸術に関する展覧会が3展も開催されている。
これと、都美術館のクリムト展、そして目黒美術館の世紀末ウィーンのグラフィック展。
第一弾はウィーン・モダン展。
ウィーン・ミュージアム改修に伴う展覧会である。
第1章 啓蒙主義時代のウィーン
ウィーンモダンというので、てっきりホントに世紀末からの展示かと思ったら、なんとマリア・テレジアの時代から!
ということでマリア・テレジア、ヨーゼフ2世の肖像画からスタート。
いつも思うけど、マリア・テレジアの貫禄といったら!(笑)
フリーメイソンに関する展示も。
いまだもってフリーメイソンの実態についてはよくわからないのだけど、「ウィーンのフリーメイソンのロッジ」という絵の隅に描かれている人物はモーツァルトとか・・・
メッサーシュミットの彫刻も!いまいましい顔以外の彫刻はないのかな~
第2章 ビーダーマイアー時代のウィーン
絵画時計というのを初めて見た。どこが時計?と思うと絵の上の方に小さな時計がついているのである。
激動の時代らしく、三月革命で処刑(私刑)された陸軍大臣の絵もあったが、ちょっとグロテスクだ。
この時代の絵画としてはヴァルトミュラーとアルトがいるが、好みとしてはアルト。
ウィーンを描いた絵がよい。シュテファン大聖堂はどこからでも目印になる(笑)。
日食を描いた絵もおもしろい。
第3章 リンク通りとウィーン
フランツ・ヨーゼフ1世が城壁を撤去し、リンク通りを開通させた時代。
飛躍的に人口が増加し、ウィーンが近代都市へと変貌した。
画家ハンス・マカルト演出による皇帝夫妻の銀婚式を祝うパレードがゴージャスだったことは、マカルトのデザイン画からよくわかるのだけど、まだまだ優雅だった時代である。
クリムトの「旧ブルク劇場の観客席」という作品は、その後のクリムトとはまったく異なる正統派な絵でびっくり。
第4章 1900年 世紀末のウィーン
この展覧会のハイライトである第4章。
まずは、建築家ヴァーグナーについての展示。当時、ヴァーグナーの建築によりウィーンは形作られていったと言える。
なかなか斬新なものあるが、聖レオポルト教会が特に印象的だ。
そして、クリムト!
一番の目玉は「エミーリエ・フレーゲの肖像」で、この作品のみ撮影可。
ちょっと艶めかしい肖像画だが、フレーゲはまったく気に入らなかったという。
個人的に気に入ったのは、初期の作品である寓意画「アレゴリーとエンブレム」シリーズや、分離派展のポスター。
クリムトのみならず、分離派展のポスターはいずれもカッコいい。
クリムト以外の分離派の画家でいうと、好みはカール・モル。暖かみのある絵がいい。
目立つ絵だったのは、クルツヴァイル「黄色いドレスの女性(画家の妻)」だけど。この黄色がパッと目に飛び込んでくる。
そして、エゴン・シーレ、ココシュカ。
シーレは決して好きな画家ではなくて・・・
不自然なねじれ全開の絵の中で、これはまあいいかも・・・と思ったのは「ひまわり」。前衛的!
ココシュカの作品は、好きな作品、好きじゃない作品とわかれるのだが、今回きていた「夢見る少年たち」のシリーズは、好きな部類。この色遣いがいい。
絵画だけでなく、家具、調度品など含め、かなりの点数の展示です。
是非どうぞ。
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