【世紀末ウィーンのグラフィック展】
art-22【世紀末ウィーンのグラフィック展】 目黒区美術館
ウィーン世紀末芸術に関する展覧会第2弾はこちら。
目黒区美術館で開催されている世紀末ウィーンのグラフィック展に行って参りました。
京都国立近代美術館の収蔵品を紹介するもの。
Ⅰ ウィーン分離派とクリムト
1.ウィーン分離派-展覧会と機関誌『ヴェル・サクルム』
クリムトの蔵書票からぐっとひきこまれる。このデザインカッコいい!
分離派の美術展のポスターで印象的だったのは、菊川英山が描かれたもの。ウィーンでも当時はやったんでしょうね、浮世絵が。
『ヴェル・サクルム』の表紙がまたモダンでよいのだけど、猫のがかわいい!
そして、とても気に入ったのがカール・モルの作品。
雪の風景を描いた版画2枚、静けさがいい。
エゴン・シーレの「アルトゥール・レスラーの肖像」。シーレは色のない作品の方がいいような・・・
2.クリムト、シーレそしてココシュカ
素描の展示。
クリムトのウィーン大学大広間天井のための習作が並んでいた。この天井画は焼失してしまっているため写真が残っているのみだが、確かにこれは物議をかもしたに違いない!おもしろいと思うけれど。
Ⅱ 新しいデザインの追求
1.図案集の隆盛
おしゃれ!見ていてとても楽しい。
マックス・ベニルシュケの書籍装丁が特にいいなあと。
2.デザイン研究のプラットフォーム-ウィーン工芸学校とウィーン工房を中心に
オスカー・ココシュカのウィーン工房絵はがきのシリーズが好き。色づかいがいいんだよなあ。
ウルバン・ヤンケの「ウィーン風景」もいい。
3.オットー・ヴァーグナーとヨーゼフ・ホフマン そしてアドルフ・ロース
国立新美術館の展覧会にもあった建築、家具についての展示。
家具がおしゃれだな~
使い勝手がいいかどうかわからないけれど・・・
Ⅲ 版画復興とグラフィックの刷新
1.木版画の復権
写真の普及により版画が衰退しかけたが、日本の木版画の影響で新しい流れが。
ここでまた登場するのがカール・モル。単色作品もよかったけれど、多色刷りもいいなあ。版画集「ベートーベンの家」、教会の絵もよかった。
が、もっと気に入ったのがカール・クレネクの連作「四季」。観光気分が楽しめる。
ツューロウの田舎の風景もよし。「畑」はちょっと幾何学的だ。
2.版画の新潮流
進化した版画。
シュテールの「山の湖」など版画に見えない。普通の絵のようだ。
3.素描の魅力
1にも作品があったが、ユンクニッケルの動物の作品が好き。
Ⅳ 新しい生活
1.日常生活とグラフィック・デザイン
元々月次画は好きなんだけれど、コロモン・モーザーの「月次絵」がいいなあ。小さくするとしおりになりそうな形。
カレンダーもおしゃれだ。
2.挿画と装丁
古書マニアが喜びそうなラインナップ。
ウィーン世紀末芸術に関する展覧会3つの中では一番地味かもしれないけれど、なかなかよかったです。
是非どうぞ。
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