【印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション展】
art-16 【印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション展】 Bunkamuraザ・ミュージアム
連休3日目に行った展覧会。
バレルさんて誰?
と思ったら、グラスゴーの海運王だそう。
若い頃から美術品を収集、コレクションをグラスゴー市に寄贈、これが美術館バレル・コレクションとなった。
美術館建設にあたっての条件は、大気汚染の影響が少ない郊外にということと、国外に持ち出さないこと。
本来ならば日本では見られなかったはずだったけど、美術館の改装に伴い、実現した展覧会。
このコレクションが見られるのは最初で最後なのかも・・・
第1章:身の回りの情景
1 室内の情景
バレルは落ち着いた色調の絵が好みだったらしく、そういった作品が並ぶ。
そういう意味ではコローなんて好みだったんだろうなあと思うが、リポー、マリスなどあまり聞いたことがなかった画家の絵が案外よかったりする。
リポーやマリスなどは風俗画の範疇だろうか。リポーのの「勉強熱心な使用人」やマリスの「若き芸術家」などが気に入った。マリスは子どもを描くのがうまい。
2 静物
静物画は好きなジャンルなので楽しく見た。
フランソワ・ボンヴァンも多分はじめて知る名前だけれど、正統的な静物画で部屋に飾ったらちょうどよさそうだ。
ファンタン=ラトゥールの「桃」2点は規則正しく桃が並ぶ。これまた正しい静物画。
やはり、好きなのはセザンヌ。ルノワールも遠くから見て、あ、ルノワール!と思う。
しかし、一番気に入ったのはマネの「シャンパングラスのバラ」。マネはあまり静物画というイメージはないが、体調を崩してからこういった小さな作品を描いたという。背景は灰色で花と葉とグラスの色合いが美しく浮かび上がっている。
バラといえば、ペブローの「バラ」も美しい。
第2章:戸外へ目を向けて
1 街中で
今回の目玉の一つ、ドガの「リハーサル」。バレエを題材にとったドガ初期の作品だが、光が差し込む部屋で練習するバレリーナたちが楽しそうに描かれている。
ブーダンの「ブリュッセル、旧魚市場」。ブーダンといえば海辺と空・・・だが、魚市場ということで海関係?こういう絵も描いているのねという。
2 郊外へ
シスレー、コローと、らしいコレクションに続いて、アンリ・シダネルの「雪」。
雪降る中、ぼーっと浮かび上がる建物。幻想的。
マリスの「ペットの山羊」。かわいい!
ドガといえば、踊り子とともによく描いたのが馬で、「木につながれた馬」。これもいいな。
さすが海運王、水に関係する絵がお好きらしく、水の画家ドービニーや空の画家ブーダンはコレクションしていたようだ。「牛のいる風景」。牧歌的。
セザンヌは「エトワール山稜とピロン・デュ・ロワ峰」。平面的な色を並べる技法の時代の作品。
第3章:川から港、そして外洋へ
1 川辺の風景
ドービニーとブーダン。
ドービニーの水辺の絵、いいんですよねぇ。
ブーダンもどちらかというと海と空だと思っていたけれど、川辺の風景も描いているのだった。やはり空がキレイだ。
2 外洋への旅
この章のみ撮影可。
ブーダンが充実。
「ドーヴィル、波止場」のような船を描いた作品もいいのだけれど、やはり海辺と空と人・・・の方が好き。「トゥルーヴィルの海岸の皇后ウジェニー」などはまさにそういった作品だ。
クールベの「マドモワゼル・オーブ・ドゥ・ラ・オルド」もよかった。クールベの作品の中ではかなり繊細で美しい絵だと思う。
ほとんどが日本初公開。
是非どうぞ。
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